愛ノ歌【BL】 (ページ15)

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大嫌いページ15

「…っうぁぁぁぁぁぁ！！！！」

「…流歌？大丈夫か？」

自分の叫び声と同時に目を覚ました

周りを見るとさっきまで見ていた高そうなものは何も無い質素な部屋だった

ここはどこ？

なんでここに？

どうして？

なんでなんで？

様々な疑問が脳内をめぐる中、奏汰の存在に気づいた

「そ…うた…」

「流歌…無事でよかった…」

そう言われて、突然抱きつかれた

抱き着かれたのと同時に、先程までの記憶が巡ってくる

無事…？

何をどうしたらそうなるの…？

僕は、別のグループのヤツに無理矢理抱かれたんだよ？

どうしてどうしてどうしてどうして？

「僕に酷いことしたお前に何がわかるんだよ」

「流歌…？」

「僕が何されたか何も知らない癖に！！」

「何かされたのか？…俺は…冷音から“おじさんに絡まれてるところを助けた”と聞いたんだが…」

「そんなわけないでしょ！？僕は、あいつに、あ…あいつに…うっ」

奏汰の言ってることと、僕の言ってることが噛み合わない

さっきまでされたことを思い出して、涙が溢れる

音波でも奏汰でもない奴に抱かれて

無理矢理入れられて

昔された時みたいにめちゃめちゃにされて

「あいつに、酷いことされたんだよ！？昔、みたいに、ぐずっ、無理矢理、ヤダって言ったのに、奏汰じゃなきゃ、嫌なのにぃぃ！！！」

「流歌…そう、なのか…？」

「本当だよ！！まだ…僕が…信用なんない…？」

「そんなことはない…けど、冷音は“大切な友達”だから…疑いたく…ない。お前を信用したいけど、冷音を疑うことも…できない…」

「…っ…ばか…もうやだ…」

「流歌？」

「…奏汰に信用されないなら…死んでやるから」

「流歌！？辞めろ！！」

あんなに必死に訴えたのに

あんなに苦しい思いをしたのに

なんで？どうして？

そう考えると、信用されない事が苦しくて

信じてもらえないことが辛くて

カッターを手に持って手首に押し当てた

奏汰は驚きで動けずにいた

「奏汰なんか…大嫌い…」

「やめろ！！」

「お前なんか！好きにならなきゃよかった！！」

「流歌！！」

涙を流しながら腕を引いて切ろうとした瞬間

ギュッと抱きしめられる

その瞬間に包まれる奏汰の香り

もう嫌いなはずなのに、安心してしまって
腕から力が抜けた

カッターが床に落ちる音がする

「…愛してる…流歌…誰よりも1番…」