永瀬くんは同級生 Ren.N (ページ17)

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episode17 ページ17

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昨日の撮影は上手くいかなくて

永瀬くんが頭から離れなくて

頭が重い気もして

何もかも、グダグダだった。

今日も朝からドラマ撮影

君の前で、笑顔で居られるかな。

これが恋のせいだけじゃないことは、もうわかってる。

だけど期待に応えないと

女優の旬なんてすぐに終わる。

廉「無理してへん？……っ、体熱いやん……

ほら、座って休も？」

「やめて……ねぇ、関係ないよッ！！

永瀬くんにわかるわけないッ、関係ないからッ！」

廉「ミナトちゃん」

意識が朦朧としていて

顔も識別できなくて

ふわふわした世界の中で最後に聞こえたのは

泣きそうになった永瀬くんの声だった。

起きると家のベッド

最近は母親が仕事の出張で不在

父親は、とっくの前に出ていった。

奥から聞こえる物音

足音、全てが怖くて目を瞑った瞬間、

廉「ミナトちゃん、ごめん、」

「っえ、」

廉「踏み込みすぎてごめん、熱、下がってるみたいやから

お粥でも食べて休も……」

「私も強く言ってごめんね、余裕なくて。

……お粥、ありがとう、学校は？」

廉「撮影が長引いて行けそうにない、ミナトちゃん熱出したって休んだ。」

「え、ごめんね、」

首を横に振った永瀬くんは

目を逸らしてくすぐったそうに笑った。

廉「んはは、ミナトちゃんが元気になったらそれでええの。

ん、パイナップル味ののど飴買ってきた。

いつものんとちゃうけどうまいよ、これ。」

初めて食べる種類の飴は

少し、苦くて、幸せだった。

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