宇佐美しか知らない (ページ7)

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救急箱を片手に訓練場の隅っこに座り、せっせとテントを張る看護婦

月島「じゃあ俺はこれで」

宇佐美「お疲れ様です」

谷山「つぎ外周だな」

槙野「おう」

宇佐美「寮周り20周、自分のペースで走って」

松原「分かりました」

宇佐美「代々木さん20周みといてくれる？」

A「分かりました！」

尾形「……」

＊

宇佐美「はぁ…はぁ…」

A「宇佐美さん尾形さん残り8周でーす！残りの方は残り9周ですー！」

槙野「まじかっ…2人とも速すぎんだろ」

A「あまり無理なさらないでくださいねーっ！」

一条「ヤベェあの子可愛い」

谷山「それ思った」

宇佐美「はぁ…はぁ…」

僕の少し前を尾形が走っている

後ろはだいぶと差が開いていた

タッタッタッタッ

…にしても尾形ペース早いな

最初からリズム崩れてないし

宇佐美「はぁ…はぁ…」

このままだと僕がもたないな…悔しいけど

＊

A「槙野さん若林さん終了です、残りの方ラスト1周でーす！…あぁ、テントすみませんありがとうございます」

宇佐美「いいのいいの」

一条「ラスト…キッツ…」

谷山「はあっはあっ」

松原「やばい～…」

A「無理はしないでくださいねーっ！」

張りかけのテントを手伝い、真っ赤になった若林を歩かせる

若林「はぁーっはぁーっ」

A「しんどいでしょうけど、いきなり立ち止まらないで少し歩いてください」

尾形「…はぁ…はぁ…」

A「尾形さんももう少し歩いてくださいね。急に座ったら心臓に悪いですから」

尾形「…分かった」

宇佐美「あ、代々木さん悪いけどこれ捨ててくれる？」

A「分かりました！」

細い腕で重そうな荷物を持ち、せっせと動く看護婦

どうやら上等兵の担当を1人で頑張るようだった

宇佐美「…1人はちょっと大変かな…」

＊

野間「いや～…やっぱり一条と若ちゃんは絶対に合格すると思ってたんだよな～」

訓練も終わり、休憩所で野間がそう言ってきた

宇佐美「若ちゃんって…若林か？」

野間「そうですそうです」

岡田「それよりあの看護婦！可愛くないっすか～？ビックリしましたよ～」

後からやって来た岡田と三島も混じってお茶を飲む

野間「そうだよ～うちのおばちゃんと交換してくださ～い」

三島「あはははっ」

宇佐美「あ～…代々木なにちゃんだったかな？」

岡田「可愛くないですか？」

宇佐美「うん可愛い」