第45話 ページ47
「ああ……。これが最善だと思うんだ。Aさえよければなんだが」
京介はそう言って優しく笑う。いつもそうだった。周りには無愛想すぎるくせに私には優しくて。
それが京介なんだ…
「……うん。私も、それがいい。ありがとう……」
２人の…いや、みんなの温かさに触れられた。
あのときの幻聴に惑わされて死ななくて、よかったな……。
「あっ。私、剣城くんのこと……もう好きじゃないから。私が本当に好きなのは誰なのか……気づかせてくれて、ありがとうね、剣城くん」
葵がそう言って京介に微笑んだ。
「ああ……よかったじゃないか」
京介も葵に微笑んだ。
「え……誰？葵の本当に好きな人って……」
私がキョトンとして言うと、葵に「今は秘密！」と言ってはぐらかされた。
「………Aちゃん」
黄名子ちゃんが私の袖を引っ張った。
……黄名子ちゃん？
「……え？」
なんだか、いつもと様子が……。
「好きだよ、Aちゃん……」
……え？
その一言に私達は固まった。
「黄名子、それってどういう……」
フェイが苦笑いしながら問う。
黄名子ちゃんは一切顔色を変えない。
「そのまんまの意味やんね。性別とか関係なく……Aちゃんが好き。大好き……」
ギュッと自分のスカートを握りながら私をみつめる。
黄名子ちゃん……。
「黄名子ちゃんそれって…Aと付き合いたいってこと？」
今度は葵が問う。
「……ううん。言いたかっただけ。恋人も守ってくれる存在もいるAちゃんに入る隙間なんて、これっぽっちもないやんね」
黄名子ちゃんはそう言ってはにかむ。
……そんな。
「ごめんね。大変な時に困らせちゃうこと言って。……ウチ行くね」
黄名子ちゃんは私達から離れていく。
なんて声をかけたらいいのか、わからなくて。
ごめん、なんて言えない。
こういうとき……なんて言えばいいんだろう。
黄名子ちゃん……
黄名子ちゃん……
………そうだ。
「待って！黄名子ちゃん！」
私は黄名子ちゃんを引き止めて。
黄名子ちゃんはゆっくり振り返って、「なあに？」と笑った。
黄名子ちゃんは…私が泣き出した時だって、私がフェイに怯えていたときだって、手を差し伸べてくれた。
そんな彼女は、私にとって大切な存在なんだ。
私は精一杯笑って、涙を流しながら言った。
「ありがとう……っ！！」
その一言に、思いを込めた。
その一言で黄名子ちゃんは笑顔になった。
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さあや(プロフ) - のん＊みんてぃさん» のん＊みんてぃさんはじめまして！ありがとうございます……！！(T_T)完結までもう少しお付き合い下さい！ (2017年6月10日 19時) (
レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
のん＊みんてぃ(プロフ) - 面白かったです!!これからも頑張ってくださいね!! (2017年6月10日 17時) (レス) id: e80e7720ad (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 氷さん» 氷さんはじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます……！！(；_；)めちゃくちゃ嬉しいです！この作品作ってよかったです……！読み返したりなんて嬉しすぎます！次の更新までお待ちください……！！ (2017年4月3日 8時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
氷(プロフ) - こんにちは！こーゆー作品をずっと求めてました！！毎日暇があれば読み返したりしてます(^^)この作品のおかげで前よりもフェイがもっと好きになりました！(*^ω^*)次の更新が待ちきれない…(〃▽〃)応援してます(^^) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7ae4d542b5 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - ナイル川さん» もうそろそろ終わりに近づいて来てますね……(T_T)悲しいなんて、、優しいお言葉ありがとうございます……！！本編は終わっても、番外編とかは出したりしようかな？と思ってます！ (2017年4月1日 0時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さあや | 作成日時：2016年8月15日 13時
