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なんて、と苦笑いを彼は溢した。
『嬉しい…！！』
何も考えずそんな事を口走っていた。
「へ、？」
『あぁいや些細な事ですよただ嬉しいだけです、』
彼は黙ったまま私を見つめ続けた。どこか暖かい瞳だ
『では他の方々の治療を。私がやるよりも貴方の方が安心して治療が受けられると思いますし』
「勿論です。我が主の命令は絶対なので。気品は勝手に使っても…？」
我が主…ねぇ。
『いいですよ、怪我しないように気をつけて下さいね』
「、はい」
彼は曖昧に返事を残して他の人を治療しに行った。
この主従関係観念はどうにかならないのだろうか
ただ17年間植え付けられたソレは簡単には抜けるものじゃないんだろう
ここから長いなぁ、と思いながら目の前の大きな背中に包帯を巻いていった。
・
『次、腕やりますね』
「はい。あ、うん」
彼の腕を観察していると上腕の方の脈が一本だけ妙に膨れ上がっていた。よく見てみると
『中になにか、入ってる、？』
すると部屋の中の空気がビリビリと痺れた。
『何をされたの、？』
みんなを見ると先ほどの「神」の雑面の人、治療を受けている眼鏡の人を含め全員が黙りこくってしまう
この反応。当たりみたいだ。
一体何を入れられたの…？
可哀想だけど何が入っていようが取り出さなきゃいけない事に変わりはない。麻酔を打って少し傷を開き取り出そう。
しかし両手が塞がっているため薬棚の注射器が取れない。
仕方ないから一番近くにいた女性っぽい彼に頼もう
『薬棚に一番近いえっとーそう！貴方！！
注射器取ってもらってもいいかな？』
なるべく威圧を与えないよう明るく言う。
すると彼は生まれたての子鹿のように返事をした。
「はっ、はい…」
少し過呼吸になりながら棚を開けて注射器を取り出して手に持った。その瞬間、
ﾊﾟﾘﾝｯ＿＿
彼の手に持たれた注射器が床に落ちたのだ。
「…！？！！！」
「マンちゃん！！！」
「あっ、えっ違くて…ごめんなさい。ごめんなさい。もう2度しないから。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ひどく息が荒くなっている。持っていた器具を乱暴に置いて彼に歩み寄った。
私が彼の肩に手を乗せようとすると大きく後ろに下がる
「や、めて。殴らないで。ごめんなさいごめんなさい」
まるで呼吸のように彼は私に謝り続けた。
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りす(プロフ) - 好きです〜！wrwrdのみんなと夢主ちゃんには幸せになってほしいです！頑張ってください〜！応援しています！ (9月13日 8時) (
レス) @page31 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
まる麺 - 面白いです！これからも無理のないように更新頑張ってください！ (8月31日 23時) (レス) @page30 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬか - 好みだぁ…………………！ (7月29日 15時) (レス) id: 6a6324a65b (このIDを非表示/違反報告)
烏丸 - 一気読みしました！面白いしそれぞれの過去がもう…(泣)応援してます！！ (5月22日 22時) (レス) @page27 id: 144a6ab78e (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろぉ(プロフ) - 更新ありがとうございますーー！！！ (5月20日 11時) (レス) @page27 id: f13e73b476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつき | 作者ホームページ：作品の温度差で読者様に風邪を惹かせる
作成日時：2022年11月23日 16時
