ナイトボーイ. (ページ3)

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先程より落ち着いた夜の街。

長い髪のウィッグが無いせいか、さっきよりも視界が広く思える。

通った道を再度歩き、目を凝らしながら探す。

たまに屈んだり、立ち止まったり。

人通りも先程より少ないため、変な目では見られなさそうだ。

「俺のハンカチ‥見つけないと。」

そう呟くと、ふと甘ったるい香水が鼻を掠めた。

そして、前方が暗くなって‥

『探し物かな？

＿お嬢さん♪』

心臓があり得ないくらい大きく波打った。

聞いた事のある声に恐る恐る顔を上げると‥‥

「あなたは‥‥！」

『さっきぶりだね〜、男の子の姿も可愛いじゃん！！』

そこには、もう二度と会いたくなかった、ナイトボーイこと田中樹さんが、

ニヤリと目を細めて笑っていた。

『ほら、これ落としたよ？』

彼の手には、まさに俺が今探していた、黄色いハンカチ。

‥わざわざ拾ってくれたのか。

「‥‥っ、ありがと、ございます‥」

樹「いえいえー、

‥ねぇ、ちょっとお礼にさ、今度こそ付き合ってよ？」

「‥え？」

また俺の手首を掴む彼。

普通ならばまた俺も振り払っていたところだが‥

「‥‥わかり、ました‥」

俺の大切なハンカチを拾ってくれんだ。

恩を仇で返すわけには、いかないから‥

まぁ、あんま関わりたくはないんだけど‥