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そんな偽善的で欲深い私が彼と出会ったのは、高2の夏のことだった。

 学校からの帰り道、居残りでいつもより少し遅くなってしまって、辺りは暗かった。

静けさに包まれた駅。薄明るい出口を抜けて、短い橋を渡る。家路へと急ぐ私の耳に、突然男の悲鳴が聴こえてきた。

 悲鳴は、少し離れた階段の下から聴こえているようだった。
そこを降りると木々や建物の影になってかなり暗くなってしまう。危ないから近づくなと小さい頃から教えられていた所だった。

 私は悲鳴が無性に気になった。
どこかの気違いが唐突に叫んだのかもしれないし、ただ調子に乗った学生達がふざけただけかもしれない。けれど、気づくと私は階段に向かって足を踏み出していた。

 コツコツとローファーが地面を蹴る音だけが響く。
剥き出しになった、どこと繋がっているのか検討もつかないパイプ。塗装の禿げた壁。人が寄り付かないためか、階段下は若干の荒廃が見られる。

 かなり下まで降りた所で、私は人の気配に気がついた。下に誰か居る。もう悲鳴は聴こえないが、確かに曲がり角の向こうに誰かが居るようだった。

ここらで引き返そうか?悩む頭と裏腹に、足は進む。
そろり、そろり。ゆっくりと、壁から顔だけで覗く。

人が居る。
暗くてよく見えないが、どうやら同じ学校の制服を着た男の子のようだ。
悲鳴は彼のもの?分からないままに、私はその少年に近づいた。

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ポエム(プロフ) - 【お知らせ】登場人物イラスト、世界観イラスト更新しました。 (2019年3月26日 16時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - あうんさん» ありがとうございます!!気に入ってもらえて嬉しいです…!更新頑張りますね!! (2018年11月2日 22時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
あうん(プロフ) - ヤバイ…どストライクすぎます!あんずちゃんの狂った感じがたまらないです!更新応援してます! (2018年10月31日 6時) (レス) id: 8621d19bdc (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます…!!更新頑張ります^^ (2018年10月13日 7時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 読みやすいし面白いです!応援してます! (2018年10月10日 14時) (レス) id: 7f2ddeb6c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ポエム | 作成日時:2017年10月21日 9時

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