…信じたい ページ36
龍…
「…じゃあね」
僕は、小さく呟き携帯を取り出す。
意識を失った敦くんは鏡花が助けてくれている。
だが、爆発で船が傾き二人は海に落ちそうになる。
間一髪のところで国木田さんが落下地点に小型船を滑り込ませた。
「国木田さん!」
「お前も早く来い!沈むぞ!」
国木田さんの声に僕は船めがけて飛び降りる。
「この大馬鹿野郎!
よくやったぞ!」
さて。
「国木田さん、僕今からポートマフィアに電話かけるんで」
「は?!」
驚く国木田さんをよそに、僕は携帯にある番号を打ち込む。
発信ボタンを押して、2コールほどでその相手は電話に出た。
『…はい』
「久しぶりだね。僕のこと覚えてる?」
電話の向こうで相手は息を飲んだらしい。
『三上…A?!』
「ご名答。…って僕君に苗字教えたっけ?まあいいや」
電話の向こうにいるのは、樋口一葉。
「さっき、君の上司が乗ってる船が沈んだよ」
『なっ…!』
「奴も海に投げ出された。早く助けなきゃしんじゃうかもね」
自分で言っておいて、少し怖くなった。
でも、あくまで冷たく落ち着いて。
『…何故そんなに冷たく言えるのですか。芥川先輩は、あなたのことをこの世で一番大切だと言っていたのに…!』
こんなに怒ってくれるなんて…いい部下を持ったね、龍は。
「僕から提案したんだよ。このままじゃお互いの組織にも迷惑がかかるしね。まあ僕はポートマフィアに迷惑がかかろうが知ったこっちゃないけど」
僕を拾ってくれた社長に迷惑をかけるのだけは嫌だからね。
『…情報提供感謝します。この借りは、いつか必ず』
「いつか、ねえ…いいよ、待ってる。じゃあね」
そう言って、僕は一方的に電話を切った。
「前々から気になってはいたが…」
国木田さんに聞かれることは、なんとなく予想が付いた。
「お前と芥川は、どういう関係なのだ?」
どう答えよう…。
「幼いころからよく知る人物…が一番近いですかね」
そう言って微笑んでおく。
ま、この程度で騙されるほど国木田さんは馬鹿じゃ…。
「そうなのか…!」
ない…と、信じたい。
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宮沢賢治
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風鈴(プロフ) - ドルチェさん» ありがとうございます!これからまた1日1話更新を心がけていきたいと思いますのでよろしくお願いします! (2016年6月1日 21時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 交信お疲れ様です! やっぱりいいですねぇ、流石です!!次も頑張って下さい!応援してます! (2016年6月1日 6時) (携帯から) (レス) id: 4b2aa12345 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - ドルチェさん» ありがとうございます!アンケートが終わりましたらまた書き始めますのでよろしくお願いします! (2016年5月27日 7時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 初めまして!!ドルチェと言います。 黒き舞姫、拝見させてもらってます。 私は中也さんと芥川さん圧しです!! これからも頑張って下さい! 応援してます!! (2016年5月27日 6時) (携帯から) (レス) id: 4b2aa12345 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - オルカさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2016年5月25日 20時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風鈴 x他1人 | 作成日時:2016年5月10日 22時