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姉弟ゲンカ ページ34

何とか立ち上がろうとする敦くん。

「お前はそんなに強いのにどうして…彼女を利用したんだ」

龍は答える。

曰く、他者の命を奪うときのみ、鏡花は強者。

それができなければ無価値だと。

利用ではなく、生きる価値を与えただけだと。

「それだ」

敦くんが龍を指さす。

「誰かに生きる価値が有るか無いかをお前が判断するな」

敦くんの肩を羅生門が貫くが、彼はそれを掴んで龍を引き寄せる。

「人は誰かに『生きていていいよ』と云われなくちゃ生きていけないんだ!

そんな簡単なことがどうして判らないんだ!」

敦くんの攻撃をかろうじて避ける龍。

そのまま羅生門で敦くんを刺すが…。

「ウソだろ…」

敦くんは、羅生門を切り裂いた。

虎の超再生でたちまち傷がふさがる。

敦くんが龍にまた攻撃を仕掛けていく。

僕は、敦くんを背に両手を広げた。

「Aさん…!?」

「…A」

驚く二人。

「悪いけど、僕は立場上君を助けられないんだよね」

ほんとに、ごめんね。

でもこうなった以上、僕も覚悟は決めたよ。

「うちの新入りくん、連れて帰らせてもらっていいかな?」

僕の言葉が終わらないうちに、羅生門が伸びてくる。

それは僕を巻き付け、羅生門で空中にいた龍のところまで連れて行った。

「…ここからどうするつもりだ」

「ねえ、龍」

僕は君を傷つけたくない。

でも立場上、それは難しい。

なら、どうするか。

僕が出した答えは。

「姉弟ゲンカ、しよっか」

少し見開かれた目に、ニヤリと笑う。

「それも僕らの人生最大級の、ね」

これは僕なりの宣戦布告。

もう、龍に対して手加減はしない。

龍は、一瞬顔を悲しそうにゆがめた。

僕は龍に微笑む。

「大好きだよ、龍」

「…ああ」

その短い返事の後変わった表情で、喧嘩の始まりを悟った。

「…いいだろう」

龍は、僕を羅生門ごと床にたたきつける。

「かはっ…!」

「Aさん!」

「そちらがそのつもりなら、(やつがれ)も容赦はせぬ」

それだけ言って、標的を敦くんに戻す。

「羅生門─────早蕨!」

「敦くんっ!」

さすがの敦くんでも、ダメージを受けすぎるわけにはいかない。

だが敦くんは早蕨から逃れ、羅生門を足場に再び龍に向かっていった。

だが…。

「罠だ!敦くん!」

獄門顎が待ち構えるそこに突っ込んでいく。

そのまま海に落ちそうになるが虎の尾で龍を引っ張る。

そして、空間断絶を破り─────









龍は、海に落ちた。

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風鈴(プロフ) - ドルチェさん» ありがとうございます!これからまた1日1話更新を心がけていきたいと思いますのでよろしくお願いします! (2016年6月1日 21時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 交信お疲れ様です! やっぱりいいですねぇ、流石です!!次も頑張って下さい!応援してます! (2016年6月1日 6時) (携帯から) (レス) id: 4b2aa12345 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - ドルチェさん» ありがとうございます!アンケートが終わりましたらまた書き始めますのでよろしくお願いします! (2016年5月27日 7時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 初めまして!!ドルチェと言います。 黒き舞姫、拝見させてもらってます。 私は中也さんと芥川さん圧しです!! これからも頑張って下さい! 応援してます!! (2016年5月27日 6時) (携帯から) (レス) id: 4b2aa12345 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - オルカさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2016年5月25日 20時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風鈴 x他1人 | 作成日時:2016年5月10日 22時

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