黒き舞姫の舞踏会

いってきます。 ページ28

数日後─────


太宰さんが行方不明になった。

みんなまた入水だの拘置所だの言ってるけど嫌な予感がする。

まさか、本当に…？

いや、あのひとに限ってそれはない。

ならば最も近いのは敦くんの意見だ。

ただ、殺されてはいない。

拐かされたのだ。

「助けに行くべきかなあ…」

とりあえず国木田さんに意見を求める。

「国木田さん。万が一太宰さんがポートマフィアに捕らわれているとしたら助けに行くべきですか？」

「別にいいだろう。奴なら逃げられるし第一迷惑噴霧器の奴を助けようとも思えん」

「ですよね！」

さすが国木田さん、即答したね！

あ、でも助けに行って恩を売っとくのもアリか。

返してもらえるとは思えないけど。

それに。

久々にあの人にも会いたいしね。

「国木田さん」

仕方ないから行ってやろう。

「特に用事もないんで太宰さん探しに行ってきます。

一応明日休みにしといてくださいね」

「はあ？何でだ」

「あの人いろんなところから恨み買ってて戦闘になる可能性もあるので」

「あ、ああ」

国木田さんの返事を確認して、僕はコートを羽織り帽子をかぶる。

「じゃ、いってきます」

僕は探偵社の屋上に出て異能力を発動し、屋根を飛び移っていく。

目指すは、ポートマフィア本拠地。







「Aはなんだかんだで太宰のこと好きだよな…」

国木田さんにそう思われているなんて、僕は知る由もない。

お久しぶりです→←元ポートマフィア専属情報員

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