やっぱりあなたが・・・ (ページ3)

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日常2 ページ3

巡回のために町に出てきた総悟と私。
総悟は相変わらず不機嫌なまんまで私の腕を引っ張っている。つまづきそうで怖いんですけど・・・。
「あ、あの、沖田隊ちょ・・・」
「総悟でさァ」
「えっ？」
名前で呼べってこと？
「でも今巡回中・・・」
「知るかィ。どうせ周りのやつらには聞こえねェんだからいいだろィ」
確かに歩いてる人たちはそんなの気にしないと思うけど。
ていうかそれより何より・・・。
「なんで路地裏に連れ込んでんの？！巡回中！仕事中！わかってます？！」
そう。今私は路地裏に連れ込まれて壁に押し付けられてる。まあいわゆる壁ドンってやつ。
「簡単な話だぜィ。Aがただひと言、総悟って呼べばいいんでさァ」
そんなこと言ってる総悟の耳はちょっと赤い。
「・・・総悟、もしかして土方さんに嫉妬してそんなこと言ってるの？」
私がそう言うと総悟はちょっと驚いた顔をしてなぜか大きくため息をついた。
「全くAは・・・。相変わらずの鈍感女でさァ。気づくのが遅すぎるんでィ」
そんな総悟はいつもより子供っぽい表情だった。
『僕のおやつだったのに・・・』とおまんじゅうを近藤さんに食べられてほおをふくらませていた小さい頃の総悟と重なって見えた。あの時はたしか、私のおまんじゅうをあげたんだっけ。そしたら総悟、『それじゃAの分がなくなっちゃうよ』って結局二人で半分こしたんだよね。
「ふふふふふ・・・」
「何笑ってんでィ」
「いや、ちっちゃいとき近藤さんに総悟のおまんじゅう食べられてたことあったの覚えてる？」
「・・・ああ、あのときかィ。それがどうしたんでィ」
「そのとき『僕のおやつだったのに・・・』って近藤さんに怒ってた総悟のふくれっ面が今の総悟の顔そっくりで笑えてきちゃって・・・」
「そんな理由で笑ってたのかィ。空気読みなせェ。全く・・・」
「なんで俺はこんな女に惚れたんだろう、って顔してるね」
総悟はまたため息をつき、そして笑顔を見せた。
まあ苦笑いだけどね。
「Aはエスパーですかィ」
そんなことを言いながら、今度は優しく私の腕を引いて大通りに戻った。