出会い、そして別れ ページ17
「じゃあ、俺と来なヨ」
その声に顔を上げると、サーモンピンクの髪を三つ編みにまとめた人がいた。年は多分私と同じくらいで、穏やかな笑顔をしている。その顔は、私の大親友そっくりで。
「か・・・ぐら・・・?」
するとその人は驚いた顔をした。そしてその顔を見て思う。
ああ、やっぱり似てるな。
「君は神楽を知ってるの?」
「私の、親友です」
「へえ、あいつに親友かあ」
「あ、あの・・・?」
あなた誰ですか?そう聞こうとしたが・・・。
「あ、ごめんごめん。俺は神威。神楽のお兄ちゃんだヨ。よろしくネ。君は?」
「立川 Aといいます・・・」
自己紹介が終わったところで疑問。
「神威さん、神威さんと行くってどういうことですか?」
すると神威さんはにっこりと笑った。
「Aはソウゴって人に拒絶されて居場所がなくなっちゃったんでしょ?君強そうだし俺のとこは人手不足だしちょうどいいかなって」
総悟の名前が出てきた瞬間、胸の奥が酷く痛んだ。
が、それと同時にふっとある考えが浮かんだ。
『この人と一緒に行けば、総悟のことを忘れられるかもしれない』
なぜそう思ったかはわからない。でも、今の私は一刻も早く総悟のことを忘れたかった。
「・・・行きます。神威さんと、行きます」
──────さよなら、総悟。
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作者名:風鈴 | 作成日時:2016年2月28日 0時