なんで・・・? ページ16
☆Aside
「別れてくれやせんかィ?」
瞬間、頭が真っ白になった。
外の雨の音がやけに大きく聞こえる。
体が震える。口がうまく動かない。
やっとの事で声を絞り出す。
「な・・・んで・・・」
総悟は私に背を向けているから表情はわからない。それが余計にこわい。
「なんでって、決まってんだろィ?飽きたんでさァ」
「あき・・・た?」
「ガキの頃からずっと一緒。いつまで経っても総悟総悟って。うっとおしいんでさァ」
総悟の言葉が私の心に突き刺さる。
「もうテメーの顔も見たくねェんでィ。武州に帰りやがれィ」
そして、さらに抉っていく。
「バカなテメーにわかるようにまとめてやると・・・」
こっちを向いた総悟の顔は・・・。
「テメーが大っ嫌いなんでさァ」
今まで見たどの顔よりも怖くて。
「き・・・らい・・・」
そしてその言葉はズタボロになった私の精神にとどめを刺すには簡単なものだった。
私は屯所を飛び出して、大雨の降る中をただひたすらに走り続けた。雨でずぶ濡れなのに、ショックが大きくてそんなの全然気にならなかった。
しばらく走り続けて橋の前にある桜の木のところで木の根につまづいてこけた。そしてそのまま木の下に座り込む。
なんで。どうして。どこがだめだったの。ちゃんとなおすから。だから。だから・・・
「きらいなんて、いわないで・・・」
私はひたすら、泣き続けた。
「総悟に拒絶された私に、居場所なんてどこにもないよ・・・」
「じゃあ、俺と来なヨ」
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作者名:風鈴 | 作成日時:2016年2月28日 0時