持ち物整理2 ページ11
そういえばそんなこともあったっけ。
あの頃から普通に総悟と一緒に寝たりひざ枕したりしてたよなぁ。今考えるとちょっと恥ずかしいかも。
「あの頃の総悟は純粋で可愛かったなあ」
「悪かったねィ、Sで可愛くなくなって」
「そ、総悟?!」
いつの間にか部屋の入り口に総悟が立っていた。
「てかこの部屋の有り様はどういうことでィ」
「一回押し入れの中のもの全部出して整理しようかと思って」
そこでペンダントをみつけ、懐かしんでいたことを説明する。
「で、片付けが進まねェでこの有り様ってわけかィ」
「ゔっ・・・」
その通りです。
「・・・俺ァ、まだあの誓いは果たせそうにねェな。いまだにAに勝てやしねェ」
総悟との勝負は499勝499敗2引き分け。
「いや、今やったらわかんないよ。まあ負ける気なんてさらさらないけどね」
けど、ほんとに総悟は強くなったと思うよ。昔は1日に3回くらいできてた手合わせ、今じゃ1日フルじゃなきゃ決着つかなくなったもん。それでもつかないときあるしね。
「ま、いつか必ず果たしまさァ。誓いも、完全勝利もな」
総悟ならきっと、すぐに果たせる。って思ったのがなんかちょっと悔しかったり。
「んじゃ、俺ァ巡回行ってきまさァ。せいぜい頑張りなせェ」
「行ってらっしゃい」
部屋から出て行った・・・かと思うと何か思い出したかのように戻ってくる。
「どしたの?」
総悟はそのまま私の目線と同じくらいにしゃがみ、そして・・・。
ちゅっ
「忘れもんでさァ」
ニヤッと笑う総悟さん。少し、いやかなり心臓に悪いんですけど!
「今度こそ行ってきまさァ」
「い、行ってらっしゃい・・・」
かなり心臓をばくばくさせながら、私は整理を続けるのだった。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:風鈴 | 作成日時:2016年2月28日 0時