第六松 ページ7
──それは、今年の夏頃の話だ。
歌が好きだし、変わりたかったから、ネットで見つけたアイドルオーディションに受けようと思った。まぁ、地下アイドルのなんだけどね。
事務所の場所がわからなくて、道に迷ってたっけ。それで、遅刻しそうで慌ていたら、緑のチェックのシャツにチノパンを履いてる、如何にもオタクって感じの人がいたんだよ。
「あの、すいません。この事務所の場所、わかりますか？」
私は彼に地図を見せて尋ねる。彼は親指と人差し指で顎を挟んで考えた。
「あ、知ってます！あの角を左に曲がって……」
彼はわかりやすく、丁寧に行き方を説明してくれた。もちろん、彼のおかげで無事、事務所に着き、オーディションも間に合った。
そのオーディション帰り。赤く染まる夕焼けの空の下を歩いていると──
「あっ、君はさっきの……」
先程、事務所の道を教えてくれた人と再び鉢合わせた。
「先程はありがとうございます。貴方のお陰でオーディションに無事間に合いました」
「そうですか、間に合って良かったです……
オーディション、受かるといいですね！」
彼は笑顔で優しい声でそう言った。だが、私は浮かない顔して俯く。彼は心配している様な顔で私を見る。
「オーディション、上手く行った気がしません。歌、しっかり歌えなかったので……」
そう言って溜息を吐いた。しばらく沈黙が続く。失敗を悔やみ、元気のない私を見て彼が口を開く。
「大丈夫、頑張ったんだからきっと受かるよ！自信もって！もし受かったら、ライブ見に行くし、ファンにだってなる」
彼が掛けた優しい言葉が、私の心に響いた。お陰で不安が少し和らぐ。
私に向けられる彼の笑顔。それはとても明るく、見ていてとても元気づけらるものだった。
「やっぱり、あの時の君だったんだね……
どうりで見たことあるなって思ったよ」
チョロ松さんが私の事を覚えていてくれたため、私は心の底から喜ぶ。思わず、さっきまで無表情だった顔から笑がこぼれるくらい。
「もう一度、ちゃんと、貴方に会って伝えたかったんです。オーディションが受かった事を」
「お、受かったんだ！じゃあ今、Aちゃんはアイドル？すごい！」
まるで、オモチャを見つけた子供の様に目をキラキラと輝かせて私を見つめるチョロ松さん。
うう、会った時からずっと思ってたんだけどさ、この人めちゃくちゃ可愛いなぁ！
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うみしおあいす(プロフ) - かい松さん» くそｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗありがとなｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ (2016年6月5日 16時) (
レス) id: ade26a220d (このIDを非表示/違反報告)
かい松 - うわわ、文才ですね憧れちゃいます(><) (2016年5月28日 21時) (レス) id: 4ffcf40120 (このIDを非表示/違反報告)
うみしおあいす(プロフ) - カラ松ガールはカラ松にガマズミを送ったそうですさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけたようで良かったです！ (2016年3月31日 8時) (レス) id: 19afaa44d5 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガールはカラ松にガマズミを送ったそうです - めっさおもろいね!! (2016年3月23日 11時) (レス) id: 94b65bf28a (このIDを非表示/違反報告)
うみしおあいす(プロフ) - アルカさん» コメントありがとうございます！いえいえ、そんなことないですよｗ変人いいね！最高w← 亀更新ですが、頑張って投稿していきますので楽しみに待っててください！ (2016年3月22日 11時) (レス) id: 27d5391d71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみしおあいす | 作成日時：2016年2月23日 20時
