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会いたい ページ1

〜裕樹視点〜
静「でね、その時に…」

眠気誘うその声

愛しさは距離を超え

過ぎていく時間の中

裕「へぇ…すげぇな」

まだ話してぇことは沢山あるのに

静「あ、もうこんな時間。明日学校だし寝よ?」

裕「…おう、」

静「じゃ、おやすみ」

ブツッ

電話が切れる音が脳内に響く

おやすみの一言で寂しさを感じる

こいつに惚れてからなんか俺らしくねぇ

寂しさからあいつの香りや温もりが恋しくなる

あぁ、なんだか胸が痛い

昔妹立ちに読み聞かせした姫さん見てぇに

綺麗でいつか消えてしまいそうな

あいつを抱きしめたい

裕「…ほんと俺らしくねぇ」

だんだん俺があいつの色に染っているようだ

きっと紅より綺麗な色

昔母さんがつけていた口紅よりも綺麗なあいつ色に俺は染まってる

なんだかそれが嬉しくて

顔がにやける

でもそれと同時にあいつに会いたい気持ちが高鳴る

俺とあいつは他校で会う回数は少ない

それに俺はヤンキーであいつは生徒会長

住む世界が違う

尚更会うなんて難しい

連絡先を交換できたのだってきっと奇跡だ

それでも

裕「会いてぇよ…」

隣にいて落ち着く柑橘系のあの匂いに

ふわっと笑うあの笑顔

今すぐ会いに行きたい

ふとスマホを見る

開いたままのLINEの画面に

小さく光る緑の丸

『電話楽しかった。おやすみ』

小さな猫が布団に被ってるスタンプと共に送られた

たった一つのメッセージにまた心が締め付けられる

裕「…楽しかった…」

俺なんかとの電話で楽しんでくれた

そんな小さなことでもとても嬉しくて

またあいつに惚れてしまう

裕「明日は…俺から誘ってみようかな」

小さく呟いて

部屋の電気を消す

夢の中でもあいつに会えたらどんなに幸せだろう

なんて恥ずかしいことを考えて目を瞑る

ーーーー
裕「…おい、」

静「あ、裕樹くんだ。おはよう」

裕「…はよ、」

静「裕樹くんってこっちの方だっけ?○△高校って反対方向じゃないの?」

裕「…別に」

今日の朝練習しただろ俺。

『昨日の電話俺も楽しかった。だから今日もしねぇ?』

たった一言言うだけだろ

頑張れよ俺

裕「その、静紅…き、昨日の」

静「昨日の電話楽しかったね。だからさ」

『今日も暇ならしようよ』

俺が言いたかったセリフは

ニコッと笑うこいつに取られた

裕「…しょうがねぇな」

素直になれない自分に嫌気がさすけど

静「じゃぁ暇な時連絡してね」

電話できるから

結果オーライだよな

今度は俺から誘おう

漢らしく…な?

月のラブソング→



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作者名:ぱぴこ | 作成日時:2021年10月26日 10時

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