名探偵さんに愛され過ぎているお世話係 が居るらしい２【文スト】

六十五話 ページ18

太宰side





乱歩「フンッ」





Aちゃんがあんなに怒っているのは初めて見た。
何時も穏やかでいる彼女が大声を出し、目を真っ赤にしながら怒るとは思いもしなかった為、皆んな驚いている。

それに相手も相手だ。あの乱歩さんに怒るとは.. でも乱歩さんは何であんな酷い事を云ったんだ？





太宰「乱歩さん、あれは流石に酷いと思いますが」





乱歩「 アレだけ人を心配させておいて、人に認めてもらいたいとかふざけてる」





敦「けど....僕はAさんの気持ち判ります。

誰かに認めてもらわないと不安で堪らないし、偶には褒めてもらわないと自分に自信がなくなっていくから」





弱々しく

且つ、優しい目で乱歩さんに云った。




福沢「先程、Aが走って探偵社を出て行ったがどうかしたのか」





国木田「しゃ、社長！」





太宰「 まあ、一種の喧嘩ですかね」





そう云うと社長は乱歩さんの所へ行き事情を聴いていた。





福沢「ふむ、良く判った。

乱歩、 今回は乱歩が悪い」





結構ズバッと云うんですね。





福沢「乱歩は何時もAに褒めてもらっているだろう、Aも人間だ 褒めてもらいたい事だってある」





乱歩「でっでも！」





福沢「第一、乱歩は心配していただけだろう..云い方が強いんだ」





矢ッ張り社長は凄いと改めて判ったのと同時に、私にはAちゃんを落とせないなと思った。

六十六話→←六十四話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す