社畜の時代 ページ18
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『やさしい、か』
少年は綺麗な笑顔で私も優しい、と。それだけ言って善逸くんの所へ行った。
「それではAさん!ご案内しますね!」
『うん、ありがとう!』
やっぱりこの子達いい子...今度お菓子でも作ってあげようかな...いやでもどこで??材料は??だめだ、食の行く末が途方に暮れてるなう。今なら鬱で死ねる気がする。死なないけど。
「あら、Aさん?なにしてるんです?」
『ヒェッ』
目の前が真っ暗になっていると、不意に後ろから声がして思わず肩を跳ねさせてしまう。
『こ、胡蝶さん』
「しのぶでいいんですよ?」
『いえいえ滅相もない!!』
やっべぇいきなり後ろからとか耐性ないから心臓がバクバクしてる...。というか、一切気配なかったなぁ...鬼殺隊(マフィア)だからか...
「それでは行きましょうか。」
『え』
....気がつくとなほちゃん、きよちゃん、すみちゃんはいない。えっ私が試行錯誤してる間にどこいったの!!?
「あの子たちは他にお仕事があるので。」
『あっそうなんですね...』
もうちょっと話していたかったなぁ、なんていい大人が落ち込んでしまう。
「...Aさんは子供が好きなんですか?」
『はい、そうですね。...昔は良く、遊んでいました。』
そう、昔はな...。高校卒業して社畜になってからはあの子たちと遊ぶなんてアウトオブ眼中になってしまった。働いてカロ〇ーメイト摂取して一日に2本最高4本眠眠〇破をキメこんでいたのはそう遠くない、むしろ数日前の過去である。
『もう、あの子たちとは二度と遊べないけど...』
あーあぁぁ...あの子たち今頃高校生?いや中学生かな...頼むから私みたいにはならんでくれよ...。
なんて、そんな遠い目をしていた私に気づいたのか胡蝶さんは背を向けたまま
「これからはあの子たちと、沢山遊んであげてくれませんか」
と、有無を言わせない聞き方をしてきた。
もちろん答えはYES。二つ返事だ。
『胡蝶さんは優しいですね。働くだけしか取り柄のない私に、そんな時間を与えてくれるなんて』
あのクソ上司共とは大違い。安定した職に就いて胡蝶さんみたいな上司の下につけたらきっと幸せなホワイト企業で務めて有給をふんだんに使えるような生活が出来たんだろうなぁ...
「...そんな事ないですよ」
私より前を歩く胡蝶さんがどんな顔をしているかなんて、私は知らなかった
―――
胡蝶様。Aさんが大好きな子供たちが殺され二度と遊べないと勘違いしてSAN値下。
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蛍 - とても面白いです!これからも応援してます! (5月1日 19時) (レス) @page25 id: 55105da247 (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 最高です!勘違い度高めなの天才的だと思います! (3月1日 21時) (レス) @page25 id: 114c51d1cf (このIDを非表示/違反報告)
ほしの - 初コメ失礼します…!こんなに楽しく読めたのは初めてです、私は貴方様の書く作品がとても大好きです!!これからも応援してます! (6月23日 5時) (レス) @page25 id: 924d54da23 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - また更新されるのを楽しみにしてます! (2022年8月6日 21時) (レス) @page25 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - お、終わりなんですか、、、? (2022年7月27日 21時) (レス) @page25 id: 6c54ce0ff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文香 | 作成日時:2019年10月6日 3時