好きになんて。 (ページ11)

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朝、目が覚めた時には隣には誰も居なかったけど触ってみるとほんのりと温かい。
さっきまで隣に太輔さんが寝てたってことが分かる。
部屋にある時計を見ると7時を少し過ぎた時間。
上半身を起こして周りを見渡すと見慣れない光景。

そりゃそーだよね。
ここは太輔さんのお家だし。

藤｢おはよ。起きた？｣

寝室のドアからひょこっと顔を出してる太輔さんはもう着替えまで終わってる。

｢おはようございます…｣

藤｢俺もう行くけど今日は帰り、昨日よりは早いと思うから。｣

｢分かりました｣

とりあえず私も起きなきゃ…
そう思って顔を洗って歯磨きしたら太輔さんがちょうど出ていくタイミングだった。
一応お見送りをしに玄関に向かうと私に気付いた太輔さんは笑顔を見せてくれた。

藤｢お見送り？笑｣

｢はい、お仕事頑張ってください。｣

藤｢ありがとう。じゃあ行ってきます。｣

｢いってらっしゃい。｣

太輔さんが出ていくまで見送ろうと思ったのに中々出ていかない太輔さん。

｢どうかしたんですか？｣

笑顔で見られてるからそう聞くと

藤｢新婚さんって感じでいいな～って思って。好きな人に見送って貰えるって幸せだね｣

なんて返される。
太輔さんの言葉にはストレートすぎるのと突然すぎるのとでドキドキさせられっぱなしで…

藤｢赤くなってる(笑)じゃあ今度こそ行ってきます｣

｢…いってらっしゃい｣

頑張って言葉を返したけど太輔さんが出ていく方が早かったから多分この言葉は届いてない。
とにかくドキドキしてるのを沈めるために急いで大学に行く準備をした。

―――

友｢おはよ～｣

｢おはよ｣

大学に行くといつも仲良くしてくれる菜優が先に来てて席は自由だから隣に座る。
なんてことない会話をして、授業を受けて。

私と菜優は1週間を通して3時間だけ授業が違うだけであとは一緒だから大学ではほとんどの時間を菜優と過ごしてる。
あと違うところは菜優はバスケのサークルに入ってるけど私は入っていないから放課後の行動くらい。

菜優には太輔さんのことを話した。
迷ったけど信用出来る子だから親が借金を肩代わりして居なくなったってことも全部話した。
驚いてはいたけど

友｢そっか～藤ヶ谷さんカッコイイのか～会ってみたいな～｣

ってそこに1番興味を示してて雰囲気も重くなることなく話は終わった。