太宰の妹は光を心に灯さない−３譚−[文スト]

７３話「変わらない2人」 ページ3

廊下を一歩一歩進むにつれ
気持ちが泥へ沈むようだ

きっと悪い意味で
酷い顔をしている

首領とエリス嬢に合わせる顔ではない
…切り替えなければ


『ﾊｧ…』

ｺﾝｺﾝ

『失礼します、Aです』

森「…入りたまえ」

扉を開け中に入ると
何かが飛びついてくる気配がしたので

一応避ける

ドデンｯと音を立てて床に転がる2人

『あの…首領…？とエリス…？』

森「どうして避けたの！？
いつもなら優しぃく包み込んでくれるのに！！！」

エリ「その言い方キモいけど同感よ！！」

『すみません
私、いま無効化状態なんです』

森「なん、だって！？
なら交戦したのかい！？」

エリ「ななな…なんですって…

ｵﾈｴｻﾏと触れ合えない…ｵﾈｴｻﾏに抱きつけない…」

『エリス、明日にはいつもと同じ…だからね？』

森「心配してたんだよ！？」

『心配はとても伝わってますよ
でもこの通り、どこも怪我してません』

森「血のついているスーツを
見せられてもね

その場にいないと
傷ができたか分からないよ」

『嗚呼…これ全部、返り血です』

森「嗚呼って
…また血を浴びてたこと忘れてたの？

(慣れとは恐ろしいねぇ)」

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