８１話「1人にできない」 ページ11
Aが寝室に向かって歩き出す前に
側に寄って横抱きをして持ち上げる
『！！…私、歩けるよ』
中「フラついてたくせによく言うぜ
いいから運ばれてろ」
『…はーい』
(ほんっとに…いつもの事だが……軽い)
おいおい、俺より身長高いだろっっ
＿寝室＿
ベッドに優しく降ろす
『ありがとう』
中「あぁ。
そんじゃ、1人の方が落ち着くだろ。
俺は自室に戻るから
何かあったら、連絡し＿＿＿
『置いていかないでっっ！』
出て行こうとした途端
袖を引っ張られて振り向く
『ぁっ、いや…今のは……気にしないで
でも…もう、少し…お願い』
(しまった…中也の黒い外套が、
あの人に見えてしまった)
上半身を起こして
咄嗟に叫んだあと
苦しそうに言う彼女を1人にできるわけがない
中「……あぁ、わかった
Aが落ち着くまで
側にいる
だから目を閉じて、少しは寝ろ」
コートを脱ぎベッドに座る
『……うん』
俺が立ち上がらないことを確認して
目を閉じるA
時間が経つと静かな部屋に
小さな寝息が聞こえる
＿＿＿＿『置いていかないでっ』＿＿＿
中「ははｧっ……』
オレの後ろ姿が
"誰かさん"と重なってしまったってか？
ヒデェな、"俺"を引き止めたんじゃねぇのかよ
＿＿＿
…お前はやっぱり…
まだ、アイツの事を＿＿＿＿
彼奴がいなくなれば
彼女は悩まずにいられるのだろうか
殺せば
喜んでくれるか、A
＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
中「…やっぱ…彼奴ら…ころした方が」ﾎﾞｿｯ
小さく呟く声が聞こえる
おそらく無意識の独り言なのだろう
[彼奴ら]というのは…
いや、今は名前を出したくない
中也の言い方からすれば
相当怒っているようだ
まぁ、以前からあの人のことが…
中也は嫌いだったからだろう
(正確には互いに毛嫌いしていた)
中「…やっぱり、(あの野郎…)太宰が＿＿＿」
……そう、あの人がいなくなれば
あの日から何度、そう思ったことか…
けれど…きっとそうなったら
『(私は喜んで生きてはいけないのだろう)』
次殺すとなった時…敵であるあの人の命を
私は……消すことができるの？
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樹-KI-(プロフ) - とても面白いです！毎回わくわくしながら見てます！ただ84話の異言は威厳かと思います。間違っていたら申し訳ありません。これからも頑張ってください！ (2019年5月20日 16時) (
レス) id: 7fba46ff84 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎紅葉 - いい話すぎる・・・100話おめでとうございます！ (2019年5月5日 23時) (レス) id: a3ddba6e2b (このIDを非表示/違反報告)
織田作之助(プロフ) - 次回の更新楽しみにしてます！ 頑張って下さい！！！ (2019年3月30日 20時) (レス) id: 05a93fd369 (このIDを非表示/違反報告)
イズコ - 次回も期待してます！ (2019年1月25日 19時) (レス) id: 6bceb10793 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぱーみんと - 面白いです！！更新待ってます頑張ってください！！！ (2019年1月19日 12時) (レス) id: 9b3fc974c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：主人公は敵に愛されよ＝アイヅキ | 作成日時：2018年8月7日 11時
