21話 ページ22
「でもそれじゃ犯人が全然わかんなくなるよ」
和彦がボヤいた。
「Aが言ったみたいに通りすがりの人間がチェーンを切る準備をしているはずはないしさ。となると、第1のセンも、第2も第3も、第4もぜ〜んぶ、つぶれるんだ」
んー、第4はまだわかんないけど、今んとこ情報も足りてないし、ナシだな。
「じゃ、やっぱり」
和臣が、興奮した声で叫んだ。
「第5のセンだ。あのチャリの中には、宝石か設計図のマイクロフィルムが隠されてて、それをねらったヤツがが計画的なトリックによってチェーンを切り、持ちさったんだ」
あーもう、こいつは.........。
私と同じ気持ちであろう貴和が、片手で両目をおおって言った。
「小塚、こいつに早くロアルド・ダールを貸してやってくれよ」
そのとき、和典の腕から、ピピッと機械的な音がひびき始めたのだった。和典は、はっとしたように腕時計を見、そのスイッチを押して音を止めながら立ちあがった。
「タイム・リミットだ。オレは、帰る。勉強しなくちゃ。A、帰りは黒木に送ってもらえよ」
「わかった、じゃーね」
和臣が、あわてて和典の腕をつかみ、なにかを言おうとした。とっさに、その口の前に和典が手を出して、言ったのだった。
「若武、これは約束だぜ」
夜の窓ガラスを映しているメガネのむこうで、和典の目が厳しく光り、和臣を射ぬいた。
「守れよ!」
和臣は、ちょっと息をのみ、それからしかたなさそうに手をはなした。
「わかった、行けよ」
和典は、バッグを肩にかつぎ上げて私たちに背を向け、教室から出ていった。
悔しそうな和臣を貴和が慰め、今日の活動は終わりとなったのだった。
あけましておめでとうございます、みなさん!この作品を読んでくださっている方、応援してくださっている方々、本当にありがとうございます!
新年ですね、、なので、私も頑張ってこれから1日1話、、更新しようかな、と思いまして。更新しました。頑張りますので応援よろしくお願いしますm(_ _)m感想やアドバイスなどくれると、更に頑張れそうです笑笑
これからもこの作品をよろしくお願いします。
ゆきしま
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作者名:ゆきしま | 作成日時:2021年3月25日 17時