儚き天使【賢者の石】 (ページ6)

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ドラコは、あの忌々しいグリフィンドールとの合同授業である魔法薬学の準備をしていた。

倒れるといけないから、と、Aを説得して毎授業、移動するときは一緒にと言う約束を取り付けることのできたドラコは、入学してからほとんどの時間、Aと過ごしてきた。

今日もいつものように談話室でAを待っていたが、時間になってもこない。

心配になってきた頃、Aと同室のミリセント・ブルストロードが何故か談話室に戻ってきたため、ドラコは声を掛けることにした。

「ミリセント、Aを知らないか？見当たらないんだ」

「あら、Aなら今私が医務室に連れて行ったわ。」

「医務室？！倒れたのか？」

「えぇ、日頃の疲れやホームシックの情緒不安定が影響したんだとマダム・ポンフリーはおっしゃってたけど…」

ドラコは頭を抱えた。

昨日まであれだけ一緒にいたのに気付けなかった自分の不甲斐なさと、頼ってもらえなかったことへの悲しみ、そして、強がって言い出さない癖を治していないA。

いろんな事が重なり、今度はドラコが眩暈を起こしそうだった。

しかし、考えてみれば普段から寝たきりだった幼馴染がこれだけ普通に学校生活を送れている事の方が不思議なんだと気付いて、何とも言えない気持ちになった。

準備を終えたミリセントが、遅れるわよ、とドラコに声を掛け、急いで教室に向かった。

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「Ms.ブラウンはどこへ行った」

物凄い勢いで教室に入ってきたスネイプは、出席確認の途中で、ふと自分の寮生がいないことに気付いた。

ドラコが、医務室にいる事を説明すると、何故お前が知っているんだと言う獅子寮の視線と、いつもの事だと気にしていない蛇寮の空気がどうもミスマッチであった。

スネイプは、納得した様子で出席確認を続けたが、Aを一目見ようと思っていたグリフィンドール生はガッカリしていた。

この後、ハリーが理不尽な質問攻めに合うのは言うまでもない。