儚き天使【賢者の石】 (ページ19)

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次の日、ドラコとパンジーは罰則を受けて医務室に来れないためAは、一人で本を読んでいた。

その本はマグルについて詳しく載っている本で、この間クィレル先生に無理を言って貸してもらったものだった。

借りたはいいが、時間がなく読み進められてなかったのだ。

なので、Aは集中しており、カーテンを開けて入ってきた存在に気付かなかった。

「A…A…！」

『……ん？』

「A、やっと気付いてくれたわね。ずっと名前を呼んでいたのよ？」

『あら、ハーマイオニー。それに、貴方達まで。』

「やあA、足は大丈夫？」

「うげぇ、さすがA、難しそうな本読んでる」

そこには、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人が立っていた。

『どうやら仲直りしたみたいね』

「えぇ、おかげさまで」

見事にハリーの質問をスルーしつつ、Aはハーマイオニーに微笑みかけた。

ロンは笑いを堪えるのに必死だったが、ハーマイオニーは気にしていない様子だ。

「A、あの時逃げてばかりでごめんなさい。」

『いいのよ、あの状況で冷静な方が難しいもの。』

「…ありがとう」

Aが安心させるように微笑むと、ハーマイオニーは安堵したように頬を緩ませた。

そして、足の様子や寝ていた間の授業の話など、たわいのない話をした。

「あ、それマグルの本？」

しばらく話した後、ロンがAの持っている本を指差して言った。

Aは、あぁ、と言うと元々マグルに興味がありクィレル先生に借りたことを伝えた。

「トロール事件の時も思ったんだけど、Aってクィレル先生と仲良いよな」

『そうかしら、普通だと思うけれど…』

「私も思ったわ！クィレル先生、貴女が倒れているのを見て、真っ先に飛んできたのよ？」

「そういえばそうだったね。他の先生達はトイレやトロールを見てビックリしてたけど、クィレル先生は見向きもしなかった」

Aは、少し意外だった。

自分が話しかける時も、おどおどして何を考えているか分からなかったため、そんなに生徒想いの先生とは知らなかったのだ。

人見知りのAは、クィレルに少し苦手意識もあったが、決めつけるのは良くないなと改めて思った。

「じゃあ、そろそろ私達は戻るわね」

「A、お大事に」

「今度授業で分からないところあったら教えてね」

『えぇ、ありがとう』

そう言うと3人は戻っていった。