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92話 ページ45

あの後、社長の指示で旧晩香堂?に調査員の皆さんと一緒に行った


建物は昔の学校の教室みたいな感じだ



其処でこれからの作戦を社長指名の元太宰さんが説明して居る


それで太宰さんと組む事になった



いやぁ、これを聞いた時には声を張って嫌だと拒否したかった

でもそんな事したら後々厄介だし、抑も太宰さんの案は最善策であり、彼の案を覆す程の案は持ち合わせていない


だからじっと黙って聞いてた




社長が三組織異能力戦争だとか云っていたのは憶えている


否、話は真面目に聞いていた



でもこれからの事を考えると守勢攻勢、更に甲乙で別ける作戦が何だか可愛く思えた




あー、私も遂に感覚が麻痺して来たか


それは死活問題




「敦君」




もうこれ自体が夢なんじゃないかな


この日常化した非日常が?




「ねぇ、敦君」




夢か……

一理あるかもな




「あーつーしーくーんー」




だとしたら、随分と楽しくて退屈しない夢だな




「中島敦!!」


「ハ、ハイィィ!!」




うっわ、耳がキーンってした

誰だよ耳元で叫んだ奴



そう思ってそこに居る人物を捉えれば、その人は頬を膨らませてムスッとしていた


いい歳して何してんだこの蓬髪男




「何度も呼んだのにぃー」


「す、済みません!」


「もぅ……それで、上の空だったけど考え事かい?」


「えっ、いや、そういう訳では……」


「ふーん……まぁ良いや。ほら、行くよ」




自分から聞いてきた癖に感心なかったような返事をしてから手を差し出してきた

……この差し出された手を一体どうしろと?




「ほら、私達の行く場所は国木田君達とは違う処だから。それとも置いて行って欲しいのかい?」


「……だからと云って手を繋ぐのも如何なものかと」


「良いじゃないか。それに、周りには誰も居ないんだ」


「えっ」




辺りを見回すと他の調査員が居ない所か、もう既に旧晩香堂の中ではなかった


立って居たのは旧晩香堂に繋がる道中の古びた線路の上だった


え、真逆考え事しながら歩いてた?



何それ、凄い


太宰さんの顔を見ればニンマリと綺麗に笑って、ほら早くと後押しの様に手を差し伸べて来る




「…男嫌いじゃないんですか」


「そりゃ勿論嫌いだよ」


「だったら…」


「だって君、手繋がなきゃ逃げそうなんだもの」




それはどっちに云ってるのだろうか


そんな事を考えていたら痺れを切らしたのか彼自ら手を取って繋いできた。そして目を合わせては笑った

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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時

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