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83話 ページ36

谷崎さんに資料を渡してあの時の状況を凡て話し終え、報告書も書き終えた



のは良いんだけど




「あーつし君!」




今度は乱歩さんに捕まった



はい落ち着いて自分


平常心を保ちましょーう



「あ、乱歩さん。どうしました?お菓子の補充なら有ると思いますが」


「いーや、違う違う!一寸僕と話さない?」


「仕事有るんですけど……」


「そんなの僕が知ったこっちゃないよ!それにさぁ」




乱歩さんが一旦間を開けた


あ、厭な予感が……




「拒否権が存在すると思う?」


「………」




ほらね、矢っ張りだよ


何奴も此奴もさぁ




何なんですか、此方には黙秘権も無ければ拒否権も無いんですか、えぇ?



どんだけ人権奪うの好きなんだよ


人権が欲しいです。切実に




「だから外行こう!ね、良いでしょ?」


「……何が食べたいんですか」


「甘い物に決まってるじゃん」




お財布の中にあるお金で足りるだろうか……


あと多分だけど最初から外で甘い物が食べたかったんじゃないの、この人




「く、国木田さぁん……」




国木田さんの名前を呼んでどうするべきか助けを目線で送った


そしたら溜め息を吐くが相手が乱歩さんだと判った途端すっと立ち上がって肩にポンッと手を置いてきた




「……仕事は良いから行って来い」


「そんなぁ……」




何かさ、諦めと同情と疲労が手に篭ってるんだけど


国木田さんが苦労人って事は十分に判った。痛い程伝わってきた




この人はいつ胃に穴が空いても可笑しくない。そう確信した




___




__




_





「まだ食べるんですか」


「そーだね、うん。食べる」


「……僕新人だからお金少ないです」


「あー」




絶対忘れてたな、この人

てか此方が奢るの大前提なのか


でも咎められないのは彼がそれほどまでに偉大な人間であり、尊敬される人間だから……




何て面白い世界だろうか




「……ちゃんとさ、話そう」


「えっ?」


「君の……Aの事。僕は何も君の事を知らなすぎる。否、僕の頭脳を駆使すればそんなの造作もないんだけど、それでもちゃんと話そう」


「なら頼むのは今食べているので最後です」


「むぅ……」




乱歩さんは頬をリスのように膨らませて拗ねた様子を見せるが話の方が優先なのだろう、メニューから手を退けた


この様子を見ると自分より歳上だなんて考えられない。小学生でも通用する



でも彼の頭脳はどんな大人でも敵わない






流石は名探偵

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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時

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