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80話 ページ33

暫くの間はずっと逃げていた



壁を蹴って、空中に逃げて


着地して、床を蹴って……




打つ手が無い


何時かは捕まる


逃げ道は限られて来た




どうすれば……




「っ!?えっ、うえっ!?」




悩んでいたら脚が勝手に動き出し、加速し始めた


向かう先は外に繋がる扉




「お友達を捨てて逃げる気!?」




おい、待て待て待て


莫迦か敦、話聞いてた!?



扉から出たら記憶消えるんだよ!?




「くっ、止まれ……」




どれだけ脚を止めようとしても一向に止まらない


もう扉は目と鼻の先



待って、飾帯(リボン)が首辺りに有るんだけど……


いや、締まって死ねたらそりゃ嬉しいけど困るの君だからね?



もう間に合わないと判断したので慌てて首に有る飾帯を腕に巻き付ける




本当に莫迦だな、君


だから






'






敵に助言なんか貰うんだ




「駄目だよ少年、敵はあっちだ」


「ぐっ……」




腕に巻き付けておいて良かった


首だったら一瞬だけでも苦しかっただろう




尻餅ついたのを見たからか、上からケラケラ笑う声が聞こえた


中年の癖に




「この場合(ケェス)での逃亡はお勧めしない。その……」


「判ってます」




はっきり云って此方も彼方も時間は限られている。だから長々しい助言を聞くなんて真っ平御免だ




「えっ」


「だから」




この辺は上手く繋げてやる




「背中を押して貰いに来ました」




相手の目を真っ直ぐ見てものを云う

これが通れば良いけど……




「あの扉を開けるフリをしたのはこうする為って事かい?」


「…今の僕に戦略など無いです。経験がまるでありません。ですから、背中を押して下さい」


「……良いよ、君の背中を押してあげる」





交渉は成立だ




「私には最初から判っていた様にも見えるのだけどね……」


「え……何て」


「はい、頑張って」


「わっ」




ボソッと呟いた何かは聞こえなかったが、ちゃんと背中をポンッと押してくれたので前傾になるが耐える




そして心を落ち着けてゆっくりと呼吸をすると、ドクンと心臓が音を立てた







____手伝うよ


!……芥川と闘った時以来だ


____そうだね……先刻はご免


誰だって血迷う事はあるさ、気にするな


____ありがとう



さぁ、行こう





心拍数が落ち着いたのでゆっくりと目を開く




「っ!君」


「頑張ります」


「っ……」




笑顔で返したのに何故彼は一瞬悲しい顔をしたのだろう

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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時

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