77話 ページ30
だけどそれは一瞬で、彼は直ぐに手を掴んで立ち上がった
「済まないね」
「いえいえ。此方こそ済みません……」
「私は大丈夫だよ」
そう云って彼は微笑んだ
一般人が普通に歩く昼の街で溶け込んでいるのが怖いね、うん
「おや、如何したのだい?」
「い、いえ!な、何も……」
「ふふっ、面白い子だねぇ」
少し吃った返事になったのが可笑しかったのか声を漏らすようにして笑い、頭を撫でてきた
「えっ……」
「あァ、つい可愛くって」
「………」
「そんな冷やかな引いた目で見ないでおくれよ!?」
貴方の守備範囲に18で男ってのは有りましたっけ?
つか触られたのが凄く怖かったんだけど
あ、谷崎さんの近くに居なくちゃ駄目だ
「谷崎さ……」
振り返って谷崎さんを視界に入れた途端、辺りの景色が一変した
玩具の木馬、玩具のピアノ、
「……」
「「「!?」」」
「ようこそアンの部屋へ」
その前方には赤い髪を持ち、矯正をしている女の子が立っていた
「あらもう嫌だわ。こんなに沢山の方たちに見詰められて。あたし初対面の方とお話するの苦手なの。でも駄目ね、ちゃんと説明しなくちゃあ。皆さんお困りだわ、きっとすごくお困りだわ!だってこんな見知らぬ所に突然連れてこられたんですもの。あたしだったら心臓が飛び跳ねて……」
「ナオミは何処だ」
だいぶ頭にきてるな、谷崎さん
「あらご免なさい、その説明が最初よね。探偵社の皆さんはあちらよ」
そう云って示したのは鍵付きの扉
「賢治君!ナオミ!!」
そこの小さな窓からは手に捕まった消えた二人の姿があった
谷崎さんは即座に走り、ドアノブを回して強く体当たりをするが一向に開かない
「鍵なしでは開かないわ。開くのはあっち」
もう一つの扉を見れば、外の景色が見える。だけど
「外の景色が………停止してる」
人も、烏も、信号も……
時が止まったかの如く、ピクリとも動かないで居た
「あたしの名前はモンゴメリ。ここはあたしの異能力で創った空間なの。でも安心なさって、そのドアから誰でも出られるわ……お仲間を取り返したくなければですけれど」
「如何する心算だ」
「簡単よ、この部屋でアンと遊んで頂きたいの………アン、いらっしゃい」
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時