73話 ページ26
「……何故、そう思うんですか」
「まだ吐かないという訳だね、まぁいい。私が違和感を持ち出したのは虎退治に行った時……君に初めて会った時だ。詰り、私は最初から君を疑っていた」
「続けて下さい」
「まぁその後は君と乱歩さんの会話を聴いていた。更にはあのチビが感じた違和感を暴露されまくったから気付いた」
成る程
最終的には中原さんが原因なのか…
何で口軽いんだよ幹部様
「それで貴方は僕の中にもう一人居て、それがそのAであると云いたいんですか？」
「うーん……正確には今私と喋っているのがAちゃんだ」
心臓が五月蝿いくらい音を立てるのかと思っていた
冷や汗をもっと垂らすかと思っていた
でもそれらの現象は一向に起きなくて、いつも通りの状態であった
その理由は何となく判る
「図星だったから驚き過ぎて声も出ないかい？それとも……」
それはきっと
「頭が冷えているから考え事で、かい？」
バレるという危機感を持ち合わせていないからだ
バレていると確信したから、通常運転なのかも知れない
「……貴方がそう思うなら、そうな」
「無駄だよ。その遣り口は乱歩さんの時に見たからねぇ」
これで太宰さんの手の内となった
彼はこういうの得意だったはずだ
選択肢を与えているが選択肢は一つであるこのやり方
自分でも薄々気づいていた
それでも足掻いて結局選ばされたのは
諦めるというものだった
静かに目を閉じて両手を降参だと云うようにそっと挙げる。決して口にはしない
「白旗を揚げるのだね？」
「無理だとは最初から判ってましたから」
「けど足掻いたのか。うん、ナイスファイト」
「嫌味ですね」
「否々。私は君の努力を讃えただけだ」
嘘つけ、詐欺師が
薄っすい笑みを浮かべやがって
「はぁ……で、貴方はそれを知って何がしたいんですか」
「当たりが強くないかい……そうだねぇ、私は君について知りたい。それから君と話したい」
「……えっ」
太宰さんの云う事に理解が少し追い付かなかった
私の事を知りたい？
私と話がしたい？
「駄目に、決まってるじゃないですか」
頭で言葉の意味を理解した途端、自然と口からそんな文章が出てきた
本能が駄目だと警告しているんだ
「何故……？」
「何故って」
だってそうだろ
こんなのを一つの存在と認識する方が間違ってる
口にしたいのに奥でつっかえて出てこない
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました！面白いです！更新待ってます。頑張ってください！ (2017年12月17日 2時) (
レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました！おかえりなさい！ (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘＠悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ﾌｧｯ!?オーストラリア！？あらまー…お気を付けて！！ (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア！！！羨ましい…！楽しんで下さい！！！ (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です！ 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のんのーー
| 作成日時：2017年10月15日 20時
