72話 ページ25
ちゃんと代わりに報告書を書いてちゃんと提出した
国木田さんに賢治君の事を云えばお疲れ様というように肩に手を置かれたのは複雑な気持ちになった
其の手には少しの同情が篭っていただろうから
更に太宰さんがサボる事を報告すれば怒った後に疲れきった顔をした
だから国木田さんの様に肩に手をポンと置いて、お疲れ様ですと云えば更に肩を落とした
そんな事があったが今日も仕事を確りと終えた
寮に戻り扉を開けた
「おぉ敦君、お帰り。遅かったね」
バタンッ
何も云わずに閉めてた。不可抗力だよ、自然現象だよ、うん
「何故閉めているんだい」
「太宰さんが此処に居るというのを忘れてて」
「当たり前の様に云わないでくれ給え」
閉めた筈の扉が開き、太宰さんが再び姿を見せた
「いつまで外に居るんだい。ほら、入って入って」
「否、僕の部屋なんですけど!」
「ねぇ敦君、私お腹空いたから何か作ってくれないかい?」
「話聞いて下さい!?」
「もー、そんなに怒鳴っていたら体に毒だよ?」
「誰の所為だ!誰の!!」
敦も苦労人なんだなぁ。この人の相手するの凄く疲れる
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「いやぁ真逆敦君が料理出来るとは思いもしなかった」
「良かったです」
そりゃほぼ一人暮らし歴が長かったから自炊位は出来る
人に手料理を振舞ったのは初めてだ
「それでだね、私は君に聞きたい事が有るのだよ」
「聞きたい事……?」
「もう薄々感付いてはだろう?」
先刻までのほのぼのとした雰囲気に戻って欲しいと強く願うが、無理だというのは自分が一番解っている
その証拠に心臓がドクンッ一つ大きく音を立てた
「敦君…………否、Aちゃん」
ここで与えられた選択肢は二つ
逃げるか
諦めるか
逃げるのは不可能に近い。てか不可能だ
それでも悪足掻き位はしよう
「前も云いましたけど、そのAって誰何ですか?」
「君だよ。乱歩さんもそう呼んで居ただろう」
「そうなんですよ。ずっと疑問で仕方ありま」
「どんなに悪足掻きしても、もう逃げるのは不可能なのだよAちゃん」
「っ」
私の言葉を遮って、諦めろと遠回しに云ってきた。中々強めに
もう少し泳がせてくれても良かったじゃんか
どれだけ大きな反応をしても
どれだけ敦に寄せても
もう無理なんだってさ
私の正体を完全に確認したのはこれで二人目。危ういのが一人
最悪だ
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時