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68話 ページ20

ほんと、何をしているのだろうか


動揺して大きな声を出したかと思えば顔を青くして休めと寝台に戻される



敦らしくないし、人として迷惑極まりない




それに見ただろうか


乱歩さんと二人で医務室に向かう時の太宰さんの目を



凄く鋭く、何かを観察するような目だった




「君もあんなに動揺する時もあるんだね」


「少し、吃驚しちゃって……」


「目が思ってた色と違かった事に?」


「はい……こんなにも根本的に違うだなんて思ってもみないものですから、何か自分に失望したというか、この状況に絶望したというか……」








Noside





乱歩の前で初めてと云っても過言ではないほどAは覇気がなかった



そんな様子に乱歩は何かを堪えるように眉間に皺を寄せる




「……なーんちゃって」


「え」





何を見て何を思ったのか、Aはおちゃらけた声を出した





「ハハッ、冗談です。貴方が反応してくれるからついつい遊んじゃいました」


「……ねぇ」


「そんな病んでるような事“僕”は云いませんよ。顔色が悪くなったのは一時的ですし」


「一寸」


「それに目の色?ですっけ。そんなの気にしてるようじゃこれから先戦えませんからね」


「Aっ!!」




ヘラヘラ笑いながら何度口を挟んでも話を止めない彼女に乱歩が怒鳴った


その顔は怒りに染まっている



一瞬ビクっと肩を揺らして動作を止めたがそれでもへらっと笑い話を続ける




「僕はご覧の通り元気です。だから大丈夫です」


「っ、そういう問題じゃっ……!」


「これは僕の問題です。自分でどうにかします」


「でも、それじゃ」


「それが、筋ってもの何ですよね?」


「っ……」




困り眉で口を結んで首を傾げて笑う姿に乱歩は何も云えなくなった




「わわっ、な、泣かないで下さいよ乱歩さん!」


「…っ」


「うわっ!」




乱歩の目が開かれ、そこからは涙が流れていた


その光景を見て“敦として”乱歩に近付く。そしたら強く抱き締められた




驚く時ですらも敦として接する彼女に乱歩は眉間の皺を更に深くして、腕の力を込めるばかりであった









「矢っ張り……」




その様子を少しだけ開いた扉から覗く人物が居たとは二人は気付かない

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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時

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