67話 ページ19
何かの見間違いかも知れない
目が疲れてたとか、実は色盲だったとか
「ら、んぽ……さん…」
「Aっ……」
「この顔に有る瞳の色は…何色、ですか……」
「……青、だよ。深海のような深く濃く、綺麗な……」
それを聞いた途端、走り出した
鍵を開けて乱暴に扉を開けて
「鏡花ちゃん！」
「？」
何故かメイド服を着ている鏡花ちゃんを呼んで、肩をガッと掴んだ
周りの目なんて気にしてられない
変な汗が垂れる
「な、に……？」
「っ、君が電車の時に見た僕の目は何色だったか覚えてるっ！？」
急に来たと思ったら何を云い出すんだ
私だったらそう思う
今の私は敦に成れているか判らない
私のまま焦っているのかも知れない
「黄色と、紫……」
「っ！！」
そうか
元から私は
君に成る事なんて無理に等しかったのか
「いい？鏡花ちゃんっ、君はその色を憶えてて。こんなの忘れて、そっちを……」
「……何の話？」
「！……否、何でもない。……変な夢見たからかな、疲れてるのかも」
キョトンとした鏡花ちゃんの顔を見てハッとした
肩に置いた手をそっと離して、笑う
敦が笑うみたいに少し眉毛をハの字にして
「敦、アンタもう少し休みな。真ッ青だ」
「ハハ……そうですね、済みません……」
本当に呼吸の仕方を忘れて血が通わなくなったのか？
巫山戯きったバカみたいな自分に嘲笑したくなる
乱歩さんがいつの間にか部屋から出て来ていたらしく、背中をそっと支えて一緒に歩いてくれた
その手は酷く優しい
何度目かの医務室に向かう際に、砂色の外套が未だ顎を抑え乍ら横を通った
「太宰さん……」
「おっ、敦君。私、君にまだ聞きたい事が」
「貴方が初めて僕と遭った時……僕の目は何色でしたか……」
「言葉を遮らないで……」
あの時は川の水を覗いても夕時だったから色は判断出来なかった
この人なら、最初から知っている
「そうだねぇ。今と変わらぬ…………青だったよ。それがどうしたんだい？」
現実は、残酷だなんて言葉は
本当だった
「……否、何も。先刻はあんな態度取ってしまって済みません。疲れてたみたいなので少し休みます……」
「確かに顔が青白いね。ゆっくり休むといい」
頭を優しく二、三度撫でて太宰さんは仕事机に戻った
先刻まであんな怖い雰囲気を醸し出していた人物とは到底思えない
「話、聞くよ」
「はい……」
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました！面白いです！更新待ってます。頑張ってください！ (2017年12月17日 2時) (
レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました！おかえりなさい！ (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘＠悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ﾌｧｯ!?オーストラリア！？あらまー…お気を付けて！！ (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア！！！羨ましい…！楽しんで下さい！！！ (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です！ 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のんのーー
| 作成日時：2017年10月15日 20時
