63話 ページ15
血がポタポタ垂れる
痛い
全身が悲鳴をあげている
でもまだ
心臓は動いている
「待……て……」
「!」
「どうして……」
けれども今は
敦に主導権がある
私はそれを客観的に見ているだけ。君が痛みを受ける必要は無いのに君がつい先刻出て来た
「お前はそんなに強いのに、どうして……彼女を利用したんだ」
「……『夜叉白雪』は殺戮の異能。他者を殺す時のみ鏡華は強者だ。人を殺さねば無価値。利用では無い、僕は鏡花に価値を与えただけだ。生きる価値を」
「それだ」
敦はボロボロの躰を起こしてゆっくりと立ち上がる
「誰かに生きる価値が有るか無いかをお前が判断するな」
羅生門が肩に突き刺さり躰が飛ばされる
「っ」
「!」
が、敦は刺さったそれを逃がさないと云うかのように掴み、地面に足を付けて立つ
きっと伝えたいんだろう
彼の考えを
「どうして彼女にもっと違う言葉をかけてやれなかったんだ」
肩に刺さったそれを引き抜き、グイッと引っ張る
当然、芥川は敦に近付く
「人は誰かに『生きていいよ』と云われなくちゃ生きていけないんだ!そんな簡単なことがどうして判らないんだッ!!」
「亦かっ……!」
何で君は、生きる事に許可を求める……?
そんな疑問など聞かず、敦は鋭い一撃を放つがギリギリ避けられる。芥川は危機感を覚えたのか腹に黒獣を放つ
「ぐぅあああああああッ!!」
だが敦は怯まずそれを裂き、即座に超再生をする
目の前の彼は此方から距離を置いた
代われ敦
君が痛みを負う必要は無い
「羅生門……」
「っ!」
地面には大量の黒く大きな棘
「早蕨ッ!」
それは伸びて背中に突き刺さり、躰が上に押し上げられた
痛みを負うのは
私だった
「があッ!」
動けるかどうかなんて判らない
躰を動かして背中から引き抜こうとすれば、ズルッと抜けられた
「!」
この、早蕨と云ったか。それのお陰で芥川に繋がる足場が出来た。そこを駆け降りれば掛かったと云う様にニヤッと口元を歪めていた
罠だって事は知っていた
「羅生門、獄門顎!!」
それに食われ力が抜け、下に落ちる
でもそれが
罠を利用した罠だとしたら……
「っ!」
虎の尾を巻き付け此方に引き寄せ、即座に打撃を放つ
空間断裂が邪魔するが
“僕は”成長する
「うおおあああアアアッ!!」
力を振り絞り全力で殴る
もう限界だ
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時