【文豪ストレイドッグス】私は君で、君は君 2

50話 ページ2

相談乗る



乱歩さんがそんな感じの台詞を少し心配した様子で云っていたが、普通に寝た


否、態とじゃないよ？眠気が限界だったってだけ


何か……うん、寝たね



ムクリと起きて辺りを見回す


窓を見ればもう外は夕陽が沈みかけている



社員の皆はもう帰ったのだろう

凄く静かだ



あー、どうしようかな

寮に戻って風呂ってのも良いけど、ハッキリ云って面倒臭い



偶には貯まったお金を使って何処か違うところで入るか

うん、そうしよう



思い立ったら吉日。寝台から降りて、鏡花ちゃんの様子を一目見てから社を出た


因みに鏡花ちゃんはぐっすり寝てた





＿＿＿






＿＿





＿





お風呂セットを持って外に出たのは良いけど、この時間帯で開いてる風呂屋なんてあるのかな


思い立ったら即行動は良くないね、うん




空を見上げれば薄らと星が見えた



前の世界……私が私であった時でも思っていたけど、人口の光で自然の輝きが薄れるのはどこか悲しく感じる


街頭の少ない田舎や山の上や海外で小さい頃見た星空はとても輝いていて感動したのを覚えている



て云っても何年前の話だろうか……




「あった……」




上を見乍ら歩いていたお陰か、煙突から煙が出ているのが見えた

下に視線を移せば、明かりがついた昔ながらのお店

お店の暖簾に「ゆ」と書いてあるから間違いないだろう




「すみませーん」




中に入って見れば、これまた懐かしさを感じる番台があって、おばさんが一人座っていた




「あ、今ってやってますか？」


「やってるよ。にしても珍しいね、アンタみたいな若い子が来るなんて二人目だよ」


「そうなんですか」


「丁度先刻、もう一人の若い男が来たよ。ほれ、鍵」


「へぇー。あ、ありがとう御座います」


「ごゆっくり」




中々人当たりが良いおばさんだな

鍵を貰って男湯の方に足を運ぶ



一瞬女湯に行きかけたのは仕方ないよね




男湯の脱衣所、そこのロッカーは年季が入っていたけど綺麗であった


頑張ってるんだなぁ



服を脱いで、畳んで中に入れる



敦の上半身、薄っすいな

主に腹



腹を少し摩って、タオルと必要最低限の物を持ち、浴場に入る



中の壁は富士山が描かれていて、タイル


椅子が何個も積まれていて、お風呂は中々広い




何か日本って素晴らしい国だね


椅子を手に取って一つのシャワーの前に座りシャンプー等を置いて髪を濡らす





右側の視界に映る濡れた白髪、毎日見るがとても綺麗だ

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