【文豪ストレイドッグス】私は君で、君は君

36話 ページ38

何だ、ここは……

目の前に見えるのは二つの光


………何これ、天国に行くか地獄に行くかみたいなやつ？


えーっと、状況を整理しよう



あの鋼の男と戦って

何か判らないけど金属が腹にぶっ刺さって

それを抜いて戦って

国木田さんが来て倒してくれて……



ここから記憶が無いや


あれ？確かああいう時って抜いちゃ駄目なんだっけ

塞いでる物が無くなるから血が出て、最悪失血死みたいな事を聞いた事がある

まぁ願ったり叶ったりなんだけど……乱歩さんと約束しちゃったし




「どうせこの道、行けるのは一つだけなんだろ？」




片方の光の指す道へ行こうとすれば、何かが足を掴んで離さない


……決着を付けろってか？




「はいはい、もう少し踏ん張りますよー……」




諦めてもう一つの道に進めば、光に包まれた





＿





目を覚ませば白い天井が見えた

辺りには誰も居ないが、奥で声が聞こえた




「……行かなきゃ」




寝台を降りてドアノブを捻る



バンッ




「「「！」」」




あ、やべ

力加減間違えた




「す、済みません！」


「こ、小僧！？もう大丈夫なのか！？」


「まだ駄目だよ。アンタはもう少し躰を休めな」




ドアの事怒られるかと思った

真逆心配されるなんて




「あ、はい！ご心配お掛けしました。もう傷は無いですし、僕は大丈夫です！」


「医者の云う事が聞けないって云うのかい？」




更に奥の扉に向かって歩いたら凛とした真っ直ぐな声で云われた

思わず足を止め、振り向いた




「……お願いします。行かせて下さい」




気持ちが伝わるように深く頭を下げた

多分、今逃したら機会が無い気がするんだ



何か返事をしてくれるのを待っていたら、深い溜め息が聞こえた




「……仕方ないねェ、今回は大目に見るよ」


「本当ですかっ！」


「但し、次は無いよ」




よし、承諾を得た

後は目的地に向かうのみ



扉の外に出て走り出す




「お、おい小僧！犯人が誰か判っとるのか！？」




遠くからそんな声が聞こえたが返事をする余裕は持ち合わせていない



それから、太宰さんが無言だったのが凄く怖い

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