思い知らされるんだ ページ22
「じゃあ暫く入ってこないでね!」
戸は勢いよく閉められる。今日の昼に子守歌を作ると約束したのを今果たすと言ったのだ。ちなみに今は夜、夜食を終えてもう寝ようとしてたんだけど仕方ない。こうなった妹はテコでも動かないのはわかっているし、俺にできることなんてないわけで...いや、一つやっていないことがあったな。
昼に行ったが本来やることを結局有耶無耶にしていた。月下美人の花畑。結界の張り直しをしに行かなきゃ。
行く先を見失っていた足を一点に向けて歩き出した。
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無事に結界を張り直し、家に戻ろうとも思ったが少し疑問が浮かんだ。
『なんで疲れて無いんだ?』
今のでかなり魔力を消費したはずだし、何ならここまでの長い旅での疲労感がまるでない。おかしくないか?そんなことあるか?今までの俺ならこんな事になるわけがない。
『不死の力...名前は何だったか。そうだ月姫の呪いとかなんとか...あ』
なるほど。不死身の力なんてそんなものを何かのデメリット無しで手に入れられるわけがない。昼に指を切っても回復しなかったのは条件がそろってなかったってだけで今指を切ればきっと。
『やっぱり!』
血が出てくるどころか、傷の一つもつかない。不死身の発動条件は月光だ!
しかしそうわかった途端、なにかとてつもなくどうしようもない感じがした。
本当は、血が出てきてくれた方が嬉しかったんだ。ちゃんと人間なんだと思った。ホッとした。
でももうちゃんと人間であることが出来ないと知った。そう思うと、急に蛍とリリィが遠くに離れてしまったと少し家に帰るのが憚られる。
『...なんてね。早く帰んないと』
無理をしてこう呟くことでしか自分を守れそうになかった。
なんか嫌な気分だ→←タイトルにすることがないよぉ☆(作者の嘆き)
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作者名:男主愛好家 x他1人 | 作成日時:2020年11月1日 13時