強い心 ページ18
「でも、貴方には酷いことしましたね…両親を"殺させる"なんて…」
『…は?』
何を…言ってるんだ?
「僕はこのプロジェクトに関わる際に、君たちの月姫の呪いに一番に目を着けました。ですが、貴方の両親ってとても強いじゃないですか。だから実験場まで連れてくるのが大変だなと思いまして…だから、貴方がここに来るようにしたんです。彼らの遺伝子継いで強いとは言え、どまだ子供ですからね。貴方が純粋な心を持っていてくれたお陰で助かりました。」
『だから、意味がわからないって…両親を、"殺させた"?じゃあなんだ。盗賊が俺の親の仕事場を襲って、そいつらに殺されたのは…お前らが仕組んだのか?』
「はい。正直賭けでしたが、来てくれてよかったですよ。これも貴方の精神力のお陰です。妹を守る決断をしてここに入り、アルノー君の死を解明するためにここまでやって来て、今は両親の仇のために動いている…と、言うところですか?」
『俺は、あんたの手の上で転がされていたんだな…』
「そういうことになりますね。」
『そうか…残念だ。俺、結構あんたの事好きだったよ。家族のように思ってた。』
「おや、過去形ですか。悲しいですね。僕は今でも貴方を家族のように思っていますよ。…もういいですよね。実験を始めましょう。」
そう耳元で柴庭は言った。その言葉はまるで麻酔のように意識を奪ってきた。だが、俺は倒れなかった。
『妹を託されたんだ…ここで俺が死んだら、蛍は一人になる。…それだけは…駄目なんだ。』
「!!?」
『実験?良いよ。好きなだけやれば良い。だけど、妹に俺と同じ事をしてみろ。…俺はお前を許さないからなっ!』
「っ!やはり貴方は…素晴らしいですよ、Aさん。僕の催眠が効かないなんて、よっぽど強い心を持っているんですね。…いいでしょう。蛍さんには手を出さないと約束します。実験はこちらでやります。来て下さい。」
『ああ。』
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作者名:男主愛好家 x他1人 | 作成日時:2020年11月1日 13時