星になった王子 ページ14
作者です
前にやった過去編を続けましょうと言う訳で、暫くオリキャラしか出ないでしょう。地雷な人はやめていた方が良いのでは無かろうか…。
てな訳で話入りますよ。
ーーーーーー
Aside
…アルノーは死んだ。
なんて言えるわけが無いだろ…?ここの子供達には。特に、リリィには。
どうして?信じたくない、これはアルノーじゃ無いって誰かに言って欲しい、別の知らない誰かだって、嘘でも良いから…。
でもそんな思いは届かない。
どうしよう、リリィは頭の良い子だ。アルノーが居なくなった事にすぐに気づく。何か異常な事が起こってるってきっとわかってしまう…っ。
それより、どうして死んでしまったんだ?何が原因なのか…。
A「…ごめんね、アルノー。」
検死って言うほどの高度なものは出来ないだろうが、刺し傷だとか殴られた跡だとか、外傷はどんなのか見ておいた方が良い…アルノーに向けての供養も兼ねて、優しく。
ゆっくり服を脱がせる。
…外傷は無し?内側からって事、か?毒とか。随分酷い事をしてくれるじゃないか…!
もう一度服を着せ、壁に寄りかからせる。
まだこんなに小さい子供に…残酷だよ。まだ生きられる筈だったでしよ?リリィだけじゃない、まだまだ友達も増える筈だったでしょ?
A「辛かったろうに。せめて安らかにね…。」
冷たくなったアルノーを抱き寄せて、頭を優しく撫でた。もうここには居ないとしても、思いだけは伝わってると良いな…。
A「一旦出るか。」
今はアルノーの死について調べた方が良い。もう二度とこんな事は繰り返してはいけないから。
ここに居る子供達には隠し通してみせる。これは嘘でも優しい嘘だ。
アルノーの近く膝をつく。残念だが、連れて帰ればすぐに見つかる。ここに置いていこう。
せめて天国にいけるようにと俺はアルノーの手を握った。
手を離す。壁を少し押すと、ぐるっと回転していつも通りの景色に戻った。
歩いて蛍のもとへ戻る。リリィも居た。
蛍「お兄ちゃん?どこいってた…どうしたの?怖い顔してるよ?」
リリィ「そうだよ。どこか痛いの?」
そう言われて二人は俺の瞳を覗き込んだ。
A「…なんでも無い。アルノー君ね、別の人の所に行ったんだって。」
リリィ「え?」
A「アルノー君を引き取りたいって人が居たの。」
リリィは持っていた騎士道物語の本をぎゅっと握りしめる。表紙のお姫様は涙を流し、王子は星となって皆を見守った。
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:男主愛好家 x他1人 | 作成日時:2020年11月1日 13時