かぐや姫は月に溺れて…。(4) (ページ2)

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灯火の夢ページ2

Aside

A「まじかぁ…。」

想像以上のやべぇ奴、俺では到底わかり得ない世界。独占欲が強いのかな、何にせよ気味の悪い事は確かだ。

気づけばもう夜。精神を磨耗しすぎたのかクソ眠い。そのまま床に突っ伏して寝る事にした。

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＿…に、ちゃん。

誰だ？

＿お兄ちゃん。

蛍！？

＿前に言ったでしょ？会いに行くって。

会いに行くって、どうやって…。

＿すぐ行くよ、お兄ちゃん。

蛍が段々遠ざかっていく。嫌だ、行かないで！

いくら声を出そうとしても出せない。が、それでも必死に蛍を呼ぶ。

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獣の様な咆哮で目を覚ます。
その声が自分のものである事を理解するのにそう時間はかからなかった。

A「あ、起きなきゃ。」

床からむくりと起き上がり、のろのろとした動きで台所へ向かう。

朝御飯を作りながら今日見た夢を思い出す。

会いに行くなんてそんな事ある訳が無いのに、妙に迫るものがある。現実味を帯びている様で、空の様に掴めないあやふやな感覚だ。

…俺の望みが夢になって出てきたか。もう一度会いたいって望みが。

A「そんな事…出来る訳無いのにな。」

自虐的な笑みを浮かべ作業を続けた。
そうして朝ごはんを作り終わり、食べてしまおうと思ったところで

…ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

と、呼び鈴がなった。
こんな朝っぱらから誰だ？新聞の勧誘だったら即断ろう。

A「はいはーい、今出ますよっと。」

戸を開けて相手を見ると、俺と同じくらいの身長をした女性だった。
黒いローブを羽織り、フードを深く被っていた為顔を見ることは難しかった。

A「あの、どうされました？」

？「…会いに来たよ。」

A「え？」

ゆっくりとフードを外し、顔を上げる。

蛍「お兄ちゃん…！」

それは俺がよく知る蛍だった。

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タイトルの灯火は蛍の光と、Aちゃんにとって妹の蛍は灯火の様な存在だったと言う暗示です。