坂の上の教室で…

雫が六粒 ページ8

？side
　
案の定、教室に戻ると変な空気になっていた。


黒峰は、Aを睨んでいた。しかしそんなことで引け目を取る様な


性格では無いため、Aは授業が始まるまで無視をしていた。


授業が始まり、Aも教科書こそ出したものの、其れを開く事無く、


森鴎外と連絡を取り合っていた。


カ「お前さぁ、授業真面目に受けたら？ああ、莫迦なのを自覚してるから
其れを隠すためか」


貴「んー？私、中学生の勉強の範囲なんてとっくに終わらせてるし
時間の無駄。なんなら此の教科書の問題、１時間以内に
解いてあげようか」


連絡を終え、にこやかに答える少女に、赤羽は黙った。いつもなら


云い返してくる赤羽が云い返して来ないものだから、病気かと疑う。


貴「如何したの、赤羽？」


カ「水野さぁ、あの人と付き合ってるの？さっきのキスしてた人」


貴「なっ、違うわ莫迦！！////」


殺「水野さん！静かにしてください！」


貴「黙れ殺されてェのか！」


殺「どうせ出来ないでしょう!?」


彼女は勢いよく立ち上がった。


貴「異能力『神への願い』標的(ターゲット)の触手を全部切り落として」


すると、アイツの触手が何の前触れもなく切れた。


其れも全てだ。教室は一時騒然となった。


そんな中、一人殺気を放つ少女が声を発する。


貴「勘違いをするな。お前の命なんぞ、私の一声で呆気なく消える。
此処に居る全員、否全ての生き物が私の言葉で命を落とす。
精々私を怒らせない事だな」


彼女の声も、瞳も、周りの空気でさえも、殺気に浸食されたように


冷たかった。此処に居る誰もが感じたこと。


―――――彼女は自分たちとは違うステージに立っている


少女は椅子に掛け直し、殺気を仕舞った。

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