影と風 ページ6
リーファside
盾役のヒースクリフがパーティを抜けてからはや5日。私は今、サラマンダーに追い詰められていた。
それでも諦めない。このまま一太刀浴びせてやる。そう決意したその時。
「どふぁぁぁぁぁぁ」
訳の分からない声を上げながらスプリガンの男性プレイヤーが転がり出てきた。全身を黒いコートで包み、身の丈ほどもある大剣を背負っている。
『おいおいキリト...。お前無茶するから...』
すぐ近くから黒地に血のように赤い線がいくつも描かれた、一言で言えば奇妙な服装をした少年が降りてくる。
「滞空制限を考えてなかったんだよ!」
キリトと呼ばれたプレイヤーは起き上がりながら剣を抜き、サラマンダーを睨みつけた。
「A。一気に仕留めるぞ。右の奴を頼む」
『了解』
Aと呼ばれたもう片方のスプリガンも野太刀を抜き、踏み込む。すると二人の姿が消えた。そう思った直後、サラマンダーが炎に包まれて消える。
(ー早すぎる!)
そう直感した。彼らには絶対に勝てない。私の勘がそう告げている。
『そこのサラマンダー!』
「!?」
『最後の警告だ。ここで戦うか、逃げるか、選べ』
「いや、やめておこう」
『ま、そうだろうな』
その時私は知らなかった。彼ら二人と、壮大な冒険をすることに。
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作者名:闇月 | 作成日時:2023年11月12日 17時