夜空の騎士 ページ28
「スターバースト・テンズ!」
十連撃ソードスキルの名を叫び、十字とバツ字に交互に斬りつける。この技が出が早く威力も高いが、使用後は一定時間魔法や武装完全支配術が使用できなくなる。だがその反面、武器破壊(アームブラスト)、銃弾破壊(バレットブラスト)、魔法破壊(スペルブラスト)、そして盾破壊(シールドブラスト)の四種類の破壊属性を備えている。しかしー
(壊れない!?)
リーファの剣は一向に壊れる気配がない。そんなはずはない。この斬撃は信管の作動よりも早く、しかしマザース・ロザリオをも砕くほど強く、古今東西の神器さえも一撃で破壊する。たとえいなしたとしても普通の剣では耐えきれず、触れた瞬間折れてしまうだろう。
「なるほどな。俺は君の剣技を甘く見ていたようだ。」
たとえ記憶がなくなったとしても元は剣道部副部長を努めているだけはあり、その剣技はやはり俺をも凌駕する。しかしここまで開きがあるとはな。フッ、と思わず笑いをこぼす。勝てるかはわからない。だがーこれだけは譲れない。
「見せてやるよ!これがアインクラッド一刀流奥義だ!」
左手に握っていた親友の剣を捨て、夜空の剣を構える。
「ファントム・ストライク・ブラックアウト!」
己の負の感情と殺意を全て切っ先に込め、闇を纏った刃が加速する。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
(悪者となり、激しい戦いから遠ざける。それが俺が兄としてできる最後の事だ。)
俺はかつて妹だったその妖精に容赦ない一撃を叩き込んだ。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:闇月 | 作成日時:2023年10月6日 22時