【銀魂】かっこよく生きる為の方法

お祝い ページ7

ー銀時サイドー


どうしたことか、見慣れた建物の前には、
数台のパトカーが止まっていた。真選組と印字されたそれをみて、眉をひそめる。図太さを100倍にして煮詰めたような野郎どもが、繊細な悩みを所持しているわけがない。つまり、Aに相談をしにきたわけではないのだろう。




「何やらかしたんだ、あいつ」



まさか、ぼったくりでも働いていたのか、
カウンセラーの資格を持っているという嘘がバレたとか、ーーとにかく、考えられる理由は山の如し。

これも、あいつの日頃の行いのせいである。


嫌な予感を抱きつつ、静かに扉を開けたのだが、
目に飛び込んできた相談室は見るも無残な姿だった






「ーーーおいおい、何の騒ぎだこりゃ」



発した言葉に振り返ったAの目が丸くなる。
その横で助手の女も「あら、」と反応を示し、
そのまた横では沖田くんがニヤリと口をゆがめた。





「おやまあ、万事屋の旦那じゃねーですか。
どうしてここに？」

「どうしてって、そこの女、うちの常連だから。
・・派手に暴れたなA」

「いや私じゃないから！」

「へえ、深いお知り合いだったんですねィ。
ですが旦那、ストーカーは感心しませんぜ」

「いや俺じゃねーから！」



息ぴったりですねぃ、と沖田くん。
気の抜けた拍手は何ともムカつくものである。



「てか何で堂々と入ってきてんの」

「そりゃお前、ここ通りかかったら外にパトカーが
止まってんだぞ。こりゃついにヤブってのが
バレちまったのかと思ってよ。祝いに来た」

「祝いにきたのかクソ野郎だな！」
「おう、オメデトウ」

「え、ヤブなんですかィ？」
「あ、否定すんの忘れてた！ヤブじゃないデス」




本当に見てて飽きない女だと内心で爆笑する。
ひとしきりニヤつき終わり、「で、これは何事？」
と話を戻すことにした。

この質問には、珍しく勤務中らしい沖田くんが
口を開いた。




「空き巣でさァ。・・と、言いてェとこですが、
どうにも違うらしいってことがわかりやした」

「んじゃ何。怨恨か？」


こいつのことだ。うっかり客の前で本性だして、
恨みを買ったというパターンもありえないでもない

何せ営業中は猫かぶってんだから。





「ストーカー、かもしれねェって話です」

「ねーな」
「それはどういう意味がこもった否定かな！？」




考えてみろ。色気を実家に置いてきた女に
ストーカーなんてビックイベントが
待ち受けてるわけがない。

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