【銀魂】かっこよく生きる為の方法

気を引き締めて ページ25

あくびをかます午後2時。
比較的客足が途絶えるこの時間は
小休憩を取るのがいつもの流れだ。



「ーーそういや、随分久しぶりな気がするなあ」



吐き出した煙を眺めながら、しみじみと思う。
肺が汚されていくこの感じ。至福の時間である。
ヘビースモーカーってわけじゃないけど、やはり
煙草とは一服の代名詞だ。





「煙草、やめてなかったんですね」

「しばらく一服する暇もないくらいに
いろいろあったからねェ」



迷惑そうな表情を隠すことなく顔全体に滲ませ、
てきぱきと窓を全開にしていく助手。

もうすっかりいつも通りである。




「・・確かに、ストーカー事件があったり、
Aさんが中二男子みたいな恋愛の仕方してたり
かなりめまぐるしかったですからね」

「誰が中二男子だって？」



確かに不器用な恋愛してる自覚は正直あるけども。
それでも、最終的にうまくまとまったんだし、
いいじゃないか。

終わり良ければすべて良し、これこの世の基本。




(ーーそう、うまく行っちゃったんだよなあ)



先日の夜のことは、まあ想像にお任せしちゃうけど
それはそれは大人の展開であった。

自分の願いなんて、諦めて抑え込むことが
最善だと思っていたのに。・・・はじめてだ。
あれだけ気持ちが溢れたのは。しかもそれを、
受け入れてもらえるなんて。



"幸せ"とは、こんなに満たされた気持ちのことを
言うのだろうか。まだ現実味がない。





「・・鼻の下伸びてますよ」

「なんだよ羨ましいのかい助手」
「ドン引いてるんです」




素直じゃないな相変わらず。

ふわりと漂う紫煙が、窓の外へ逃げていく。
今日は天気がいい。青空が一瞬白く染まった。





「とりあえず、これで一段落したわけですし、
改めて気を引き締めてくださいね」


「へーい」

「・・気が緩んでるように聞こえますが」

「仕事はしっかりやりますって！」




なんたって、「今の私がいいと思う」って、
坂田さんからお墨付きをいただいているのだから。

少しは、自分らしく頑張ってみようかな、なんて
調子のいいことを思ってみた。


短くなった煙草を押し付けて、椅子から立ち上がる




「さて、やりますか」



そろそろ休憩が終わるのだ。一つ伸びをして、
白衣を着直した。

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