【銀魂】難あり波もあり

デート日和？ ページ5

お誘いに成功した、と言っていいのだろうか。彼に手渡したために、手の中にあるチケットは、一枚になっていた。

風に小さくなびくそれをぼーっと見つめながら、
私は数時間後に迫ったスイーツバイキングに
想いを馳せる。何だか家にいても落ち着かなくて、
30分前にもかかわらず、私は既に集合場所付近を
うろついていた。





「・・・どんな話をしよう」



いつもどんなことを話していたのやら。
いざとなると、全く思い出せなかった。

考えれば考えるほどに何だか緊張してしまって。


思わず頭を振ってみるが、
気が紛れたのは一瞬だった。






春が近づいたために、時折吹く風は暖かい。
マフラーなしで外に出たのは、いつぶりだろうか。
心なしか、街ゆく人たちも、歩調が弾んでいる。

何ともデート日和だ。







(ーーーって！)




待って。まず、今日のこれは・・デート、なの？
いや、お得意様としての付き合い？


フワフワと入れ替わる思考に自分自身で
ショートしそうになりながら、一つ深呼吸。







「・・とりあえず、いつも通りにすることだよね」




私はただ、最近あまり顔を合わせていない銀さんと
久々に話し込みたかったというだけだ。
それ以上には何もない。


忘れないようにと前日から上着に突っ込んでいた
チケット。その片割れが、今は銀さんの元にある。

ーーーなんだかそう考えただけで鼓動が速まった。





30分をこんなにも長く感じることがあるなんて。
客ゼロのバイトの時より長いじゃないか。

結局、ソワソワする様子が落ち着くことはなく
銀さんが現れるまでの約30分、時々時計を
眺めながら、意味もない散歩を続けていた。

ド忘れ→←キャラ変更？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す