【銀魂】難あり波もあり

耐え抜け ページ24

ー銀時サイドー




ほんっとに_____、






(・・どういう状況ォォオ！？)



叫びたくなる気持ちを堪え、頭を抱える。
ガキどもが不審そうな目をこちらに向けていること
すら気にならねーくらいに、頭の中は大混乱だ。




(何するつもりなんだあいつァ、)


この狼狽の理由というのは、数時間前に音を鳴らした一本の電話までさかのぼる。









『ーーーあ！銀さんですか？おはようございます』



いつもの通りの挨拶。・・のはずだが、心なしか
少し弾んで聞こえる。「おう」と短く返事した俺に
違和感を持つことなく、言葉は続いた。





『・・・あの、突然で申し訳ないんですけど、
明日って空いてます？』

「あ、明日？」

『はい。お話がありまして』







控えめな声、・・ーーー話？

半分、上の空状態で了承した俺に
『それではまた明日』と。安堵したように言った後
電話は切られてしまったのだ。

ツーツーと機械音が鳴り響く電話口。
神楽から声がかかるまで、俺は受話器を握りしめた
まんま、その場に突っ立っていた。





ーーそうして、冒頭に戻る。






「・・銀さん、さっきからどうしたんだろう」

「さっきの電話から様子がおかしいネ。
ついに恨みの募った奴等から殺害予告でも
届いたんじゃないアルカ」

「そんなくだらないことじゃなさそうだけど、」




いや、いっそ殺害予告の方が幾分かマシだった。
そんな真実がわかりきった問題じゃねーんだ。





第一に、話とは何だろうか。
いくら考えても、想像は悪い方向へと行く。
昨日、沖田くんとともに目撃した例のことも
相まって、焦りは募る。

最近参加した同窓会で再会した初恋の野郎に
再熱したとか。町で運命的な出会いをした男に
一目ぼれとか？ハンカチでも拾ってもらったか。



どれもこれも、堅実なあの女にはあり得ない事柄ばかりなのだが、それでも最悪の事態が頭をよぎる。
つか、平凡なあいつにそんなとんでも展開は
重すぎるだろ。ないない。・・って、





(ーーだめだこりゃ、)


余裕ってなんだっけ？主導権握ってた大人な俺って
どんなだっけ！？






「ーーー銀ちゃん」
「何だよ！！」

「溜まってんのかヨ。さっきから顔がうるさいネ」

「大人にはガキにはわかんねェ事情があんだよ！」




兎にも角にも、ここで悩んでいても答えは出ねーし
むしろ悪い展開へと思考が向いちまうだろう。

明日まで耐え抜け、俺。

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