【銀魂】光に焦がる虫

同意 ページ24

(ーーさすが犯罪集団)






連れてこられた廃屋が、埃臭くて汚くて。
乱暴に投げ捨てられた床の上。

ひんやりとした冷たさが伝わってきた。






「・・随分とナメた真似してくれたね、A」

「さてね、何のことだか。私は別に悪いことした
覚えなんてないんだが」


「私がそこまで甘い男じゃないことは、
お前も知ってるはずだ」




そんなことは、とっくの昔にわかってる。
この男は残酷で冷酷だ。慈悲なんてものはない。
不必要だと思えば切り捨てる。邪魔なものは
ためらいなく消す。ーーわかって逆らった私は
多分とんでもない勇者なのだ。






「警察が動き出したらしい」


「それが私のせいだって？すでにヘマやらかした
あんたの駒がゲロったんじゃないのかい？」



「・・・摘める芽は摘むタチなんだ。現にお前は
あの遊郭から逃げ出した。私にとっては、その時点で危険分子なんだよ」



「なるほど、筋の通った理由だね」




私をとっ捕まえて情報漏洩を防ごうと。
もっといえば、警察に対しての抑制剤だ。






「まあ、あんたらが私を人質に使おうが別に
構わないけどね、こんな女一人に警察が動く？」


「あの犬どもは民間人守るのが仕事だろ？
そいつらが女を見殺しにしたとなっちゃ、メンツが
丸つぶれじゃないか。ーー少なくとも、時間稼ぎに くらいはなるだろうさ」



「やれやれ、せっかくあの檻から逃げ出してきたってのに、・・結局最後も男に使われて終わりかい」

「運命というものは残酷だね」




そんなこと思ってもないくせに。
ペラッペラな言葉に苦笑を浮かべる。

どこまでも自分以外の奴は駒なのだ。
便利な矛と盾。今回の私は、盾だ。






ーーー私は裏の世界で生きてきた。

抗いたくても抗えない。どこに逃げたって、
私の素性は変わらないのだから。






(・・確かに、残酷だよ)




それだけには、同意する。

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