【銀魂】困惑必須の受愛物語

犯人は ページ14

「・・汚い」


ため息まじりに小さく声が漏れたのは、
比較的穏やかなある日のことだった。
自室待機が解け、いざ仕事復帰だという矢先に
これである。






「え？何だって？」
「きたないと言ったんです」



目の前では、書類を手にこちらを見やる副団長と
大皿を片手にこちらに問いかけてきた団長。

このだらけ具合はさすがにまずい。
同時に、この部屋は汚すぎる。



見渡した先に見えるのは、山積みの皿と、
保管庫から持ち出しっ放しになっていた書物。






「あの、何で数日でここまでめちゃくちゃに
できるんですか？」




この部屋は、基本団長が客との会食の時に使われる
ところなのだが、・・どうやら、ここ最近は団長の
個人食事部屋及び副団長の仕事場らしい。




「仕方ねーだろ。このスットコドッコイがどこに
いるか探すより引っ付いてる方が楽なんだからよ」


「だらしないですね」




頭を抱えるほかはない。

私が自室待機の間、確かに副団長一人で仕事を
回すなんて不可能だったんだろうけれど。






「・・突然来客があった時どうするんですか」

「俺は気にしないよ」
「あんたの意見は聞いてません」


「やれやれ、・・で、嬢ちゃんはどうしたいって？
復帰祝いに聞いてやるよ」




さすが副団長、わかってる。ーーとは、今回ばかりはいうわけにはいかない。何しろこの人も犯人だ。









「もちろん、ーー片付けますよ」





腕まくり。

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