【銀魂】困惑必須の受愛物語

図星 ページ17

「ねぇ、副団長」

「あ？なんだ」


「ーー私って、団長といる時どんな顔してます？」



「・・・・お前さん、大丈夫か」







まとめた報告書を提出しに、副団長の部屋を訪れた
私は、部屋主から怪奇な眼を向けられていた。








『よかったよ。ーー俺を見てそんな顔してくれる
ようになって』



そんなことを言われたら、気になってしまう。
私は普段、どんな顔であいつと向き合っているのか

自分ではわからないから。






「そうだな、近頃はめっきり柔らかくなったな」

「もっと具体的に」


「・・今日グイグイくるね」




んー、と顎に手を当てた副団長は、
「楽しそう？」と。机を叩き割ってやろうかと
おもった。





「は？誰が楽しそうなんですか」

「いや怒んないで。
そっちが聞いたから答えたんじゃん」


「楽しくありません」

「ツラは正直だってことだろ」





全くもって理解不能。
私が奴と話して得られるものって、
専ら苛立ちなんだけども。






「・・いい加減、認めちまった方が
いいんじゃねーのか？」

「は？何を」


「団長が気になってきたってよ」
「はあ！？」




つい荒げた声に、副団長が煩わしげに耳を塞ぐ。






「大体、最近のお前さんは団長のことばっかじゃ
ねーか。"一緒にいる時どんなツラしてんのか"なんつー質問も、その証拠だ。・・もはや誤魔化しようがねェだろ」






近頃、こんなことばかりだ。

団長に対する言及に、反論できない。ーーまるで、
図星でもつかれてしまったかのように。







「ーーーそりゃ、一緒に仕事してんだからよぉ。
例え第一印象最悪でも、次第に気持ちってのァ
変わってくるだろうぜ。恥じることでもねェ」






さて、仕事に戻った戻った、とほぼ無理やりに話題
を切った副団長。私はというと、何も言わずに数秒
そこに突っ立っていて。


ふざけた現実から眼をそらしていたが、
ーーー・・しばらくして、一つ息をはいた。









「・・・失礼しました」




「おう」と短く返事が来たのをきいて、
私は静かに踵を返した。

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