同じ空の下 ページ7
あのメールを受け取って数日後。
あれからは特に音沙汰がないまま、私は梅雨を乗り越えようと奮闘している。
雨は降ってはいないにしても、雲行きの怪しい曇天を見上げる私は、公園のベンチに体を
もたげていた。
土方は、今頃は仕事だろうか。
きっと同じ空の下にいるのだろうが、やっていることは正反対である。・・ま、治安を守る
定職についている以上は、しっかり働いてもらわなきゃだけども。
頭の中にあるそいつの顔は、
数週間みずともはっきりと思い浮かぶ。
・・しばらく人と関わりがなかった私にとって
これだけのインパクト。どうやら不覚にも、
思った以上に交流を深めてしまっていたらしい
しかもあんなお節介ポリ公と。
(・・・金も尽きそうだし)
そろそろ、久々に連絡してみるか。
断じて仕方なく、だ。ーーそんな言い訳を
心中紡ぎながら、もう一度空をあおぐ。
そんな中、道路を走り抜けるトラックの騒音に
混じり、コツコツと靴音が聞こえてきて。
.
「ーーーよお、何やってんだこんなとこで」
「・・・・そのまま返すよ」
天を仰いだまま、私はその声の主に返事をした
そいつが燻らせる白い煙が、顔を見ずとも
私に正体を伝えてくれた。
「・・・久しぶりだね」
「あぁ。そうだな」
静かに腰掛けた土方十四郎。いつもの黒服は、
相変わらず暑そうでかたっくるしくて。
これから始まる猛暑には適さないと思う。
「仕事サボるつもり?」「一服するくれェ問題はねーよ」と、一言二言会話を終えて。
次に訪れた沈黙に、ただ身を委ねてみた。
久々に会ったというのに、特に近況報告はなし
まあ、友人でも何でもないし、そんなことを
する必要は見当たらないか。
「ーーーお前、あれから行ってねーだろうな」
「は?」
「あの地域だよ」
「・・あぁ、」
最近仕事してない、と手短に返事をすれば
そうか、と、どこか安堵を含んだ声色。
吹き抜けた風のせいで、紫煙がほんのりと
私の鼻をくすぐった。
「・・・近々、あそこは潰れる」
「潰れる?」
そうして、唐突に開かれた彼の口からは、
よくわからない忠告が飛び出したのだった。
ーーー潰れる、とは、あの無法地帯がか。
「だから、巻き込まれねーように大人しくしてろ。・・こればかりは俺もどうしようもねェ」
「んー、話が読めませんな」
「読めなくていい。ただ、おとなしくしてろ」
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!無事完結の運びとなりました!最後まで見てくださり、ありがとうございました!次回作も気合を入れて頑張ります! (2017年7月4日 22時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 番外編の完結、おめでとうございます! ニヤニヤしながら読んでました笑 私も、この二人はゆっくり進んでほしいなと思います! 次回作、頑張って下さい!楽しみにしてます!! (2017年7月3日 22時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ピピコさん» ありがとうございます!おかげさまで、今度はトラブルなく無事完結いたしました!目を通してくださり、感謝です!土方さん…イケメン具合は素晴らしいですね! (2017年7月3日 14時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 完結おめでとうございます!土方さんがもう…!イケメンすぎて半端ないです…!!番外編もニヤニヤしながら読んでます!これからも応援してます!! (2017年7月2日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ミンティアさん» ありがとうございます!嬉しさに打ち震えておりますっ!これからも皆様と共に楽しめる作品を目指します! (2017年7月1日 11時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年6月16日 1時